こんにちは花火花火花火

 

先日夕方の犬の散歩時に脱皮中のセミを見つけました。まだ透き通った薄い青色で、夕方の薄闇の中で光っていました。「自然って美しい」っと図らずも感動してしまった今日この頃ですトロピカルカクテルトロピカルカクテルトロピカルカクテル

 

「歩いても 歩いても」

 

勝手に夏休みが印象的な映画特集第2弾は是枝裕和監督のこの作品を。

2008年公開の日本映画。

 

 

失業中の横山良多(阿部寛)は前夫に死に別れた子連れのゆかり(夏川結衣)と共に夏休みに長兄の命日のため里帰りをします。

 

実家には開業医を引退した父恭平(原田芳雄)、母 とし子(樹木希林)、姉ちなみ夫婦(YOU 高橋和也)が集って二人の到着を待っていました。

 

一見平和な家族ですが長い年月の間にそれぞれが事情を抱え、長兄の命日にそれが少しずつ明らかにされ…

 

 

「誰も知らない」や「そして父になる」ほど有名な作品ではありませんが、

わたくしは是枝監督の作品の中ではこちらが一番好きですねぇ。

 

一つの家族の夏休みの数日が描かれているだけなのですが、優秀だった亡き長兄へのコンプレックスに苦しむ良多(こちら、前回のリチャード・ドレイファスと被りますねぇ)を中心にそれぞれの心の襞が少しずつ見えてきます。

 

長兄は医院の後継となるはずでしたが、海で溺れている子供を助け帰らぬ人となってしまいました。

 

残された子供達は一人はお調子者の旦那を持つ平凡な主婦、もう一人は「お古」の女性と結婚して失業中。

 

長兄が命を賭して助けた子供も勝ち組とは言えない青年に成長しています。

 

父はそれらのことに扉を閉ざし書斎に閉じこもってしまいますが、母親はさりげない言葉や行動で攻撃をします。

 

 

この樹木希林演じる母親が怖いんですねぇ。

家族をひたすら支え、守ってきた昭和の平凡なお母さんですがその言葉に毒と凄みのあること!!!

 

なんか向田邦子ワールドちっくな感じですね。

 

子連れの嫁に投げかける棘のような言葉、命日にお参りに来る針の筵に座っているような助けられた男性に対してにこやかに毎年来るように促す復讐の行動。

 

 

そして題名になった「歩いても 歩いても」のフレーズに関する夫との問題。

昭和の名曲、いしだあゆみが歌う「ブルー・ライト・ヨコハマ」の1フレーズなのですがその理由は…

とにかく彼女は夫に不満があるとこのレコードをかけるんですね。復讐と戒めのために。

 

歩いても歩いても人生には喜怒哀楽があり、忘れられない喜びと哀しみに満ちている…

 

最後の黄色い蝶のエピソードが物語る、心の中に封じ込めている亡き長男への思い。

 

ジャンルはホームドラマになるでしょうし、燦々と太陽の降り注ぐ三浦半島が舞台なのに少し背中が寒くなる場面が其処此処に散りばめられて作品の印象を強くしていますね。

 

 

阿部ちゃんは今では日本映画界を支える俳優さんに成長しましたが、わたくし達世代はメンズノンノのモデルのイメージが強いですね。

ドラマに出てもキザったらしいプレイボーイの役などが多かったなぁ

 

こんなに立派になっておばさんは嬉しいですよ。

 

樹木希林さんに至っては悠木千帆時代の「ジュリ〜ピンクハート」のイメージが強くてお笑いタレントさんの印象でしたが…今作でも存在感抜群でした。

 

そしてわたくし的今作の注目は「お古」の新妻を演じた夏川結衣さんですね。

時々お目にかかりますが、主役ではなくいつも脇役ですね。

爽やかで透明感のあるお顔立ちながら今作では姑の毒をさりげなくかわし、甘えん坊の次男気質の主人公をしたたかにリードする姉さん?女房を演じて存在感大でした。

 

 

そして「是枝組」YOUと是枝作品の特徴である子供達。

 

YOUは距離を置きながら家族間の調整をする長女をいつもの雰囲気でチャーミングに演じています。

 

そしてやはり子供の撮り方はお上手ですね。なんとなく浮いちゃってるゆかりの連れ子の描写などは素敵ですね。

 

あとご紹介したいのが、樹木希林さんが作る家庭料理です。

また食い物かいって感じですねてへぺろ

 

中でも茗荷と枝豆のバラずしは是非作ってみたいとは思うのですが…

わたくしは茗荷が大好きですが、家族はやはり薬味のイメージが強いらしくメインになるとちょっと…という感じでしょうね。

 

トウモロコシの天ぷらも美味しそう!!!

 

舞台はビーグル犬ブログの方でよくご紹介している三浦半島ですね。

野菜の産地で新鮮なお野菜がスタンドで購入できます。

 

映画でも坂の上から街を見下ろした中を赤い京浜急行が走っている風景が郷愁をそそる感じで好きでした。

 

 

キャストを見て気がついたのですが…「良多」って「そして父になる」で福山雅治さんが演じた父親と同じ名前ですね。闖入者である「息子」と関係を築いていく父親だから?って思いながら★★★★☆

 

 

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