東京に来てから、便利な生活に慣れ、田舎が不便に思えていた。
おっかぁと暮らす様になってから、生活費を稼ぐため、手っ取り早く、パチンコ屋で2人で働いていた。
年収も600万近く。
不自由はなかった。
実家とも、疎遠だった。
何年前に電話したかな……って考えるくらい。
そんなある日……
『北陸で、集中豪雨みたいだよ。』
テレビで知る。
新潟県 中越地区。
『実家のあたりだ……』
かなりの広範囲で、大雨。
不安になった。
何年かぶりに、電話してみる。
懐かしい声……
母だ……
……
……
話によれば、豪雪地帯だから、雨くらいはなんとか平気との内容。
なんか、しっくりこない。
俺、何やってる?
遊んで暮らして……
ぶくぶく太って……
実家に心配かけて……
その頃、長岡では……大変な事になっていた。
洪水。
『俺、魚沼に帰ろうと思う……』
『うん。そうしたいなら、止めないよ。』
……
やりきれない。
『あっちに行ったらさ、何かと不便だから、お前も車の免許、取ったほうがいいよ。』
なんか、目覚めた。
思いもしない災害。
漠然と描く、未来予想図。
それは、混乱の序章だった。
なんとなく……帰る。
そんな思いが、破裂するくらいの〈思い〉に変わる瞬間は、3ヶ月後に待っていた。
知るはずもなかった……