2020年、東京は再開発や建築ラッシュが続いています。
「高輪ゲートウェイ駅」が作られ、「MIYASHITA PARK」や「WITH HARAJUKU」がオープンし、テレビなどでも度々取り上げられ、今もっともトーキョーの匂いのする場所かも知れません。
六本木ヒルズが出来た当時、最上階の展望室に昇り、はるか階下に広がる広大な夜景に大都会の凄みをひしひしと感じたものでした。
そうやって今、自らも建築の仕事に携わり、紙の上で描いたものが現実にコンクリートや木などで形になっていく様を日々体感しています。
そんな中、建築家でもアーティストでもない自分がいつも感じるのは、賃貸物件という家賃をもらって収益を追求する事業用建築物を作る上での避けられないジレンマです。
建築とはまさにコストとの戦いなのであります。デザインに凝ればこるほどオシャレにすればするほど余計にお金が掛かります。
自分が住む家ならまだしも、ただでさえ土地の値段が高止まり、しかも、建築コストも高い今、家賃と投資額に相応しい物件を作り上げるのは至難の業と言わざるを得ません。
極端な話、真四角の倉庫のような建物を建てれば一番コストが掛からないでしょう。しかし、驚くほどの一等地ならばそれでも入居者に困る事はないでしょうが、都会は既に賃貸物件が飽和状態なのです。
検索サイトで地下鉄徒歩圏内の1LDKを探してみれば、雨後の竹の子よろしく外見も間取りも似たり寄ったりの物件が次から次と目に飛び込んで来ます。
もうこうなると何をもって差別化して良いのか、ホント悩みます。
ただ、なんとなく最近の入居者が喜びそうなワードは、「ちょいラグジー感のある個性的で上品な居心地の良さ」なのかな?と感じています。
とはいえ、この「ちょいラグジー感」を出すのが、案外難しいのです。
例えば屋外照明を例に挙げるとします。今ならLEDのライン照明でバルコニー全体を間接的に光らせたり、エントランスをぼんやり照らして浮遊感を演出したりするのがイマドキです。
しかし、これも使い過ぎはイケません。
実際に某所にあるマンションで、バルコニーやエントランスに、やたらとLED照明が付けられている物件があります。
しかも、夜になると周辺の植え込みから無数のスポットライトが建物全体を大袈裟に照らし上げるという趣です。
さながらゴーストバスターズに出てきた摩天楼のごとく、夜間などラブホも霞んでしまうほどの圧倒的威圧感を周囲に放っています。
そのド派手な外観に、控えめな自分などでは到底そこに住む気になどなりません。
とはいいつつも、これを悪例と例えるのは容易いのですが、実際にはこういう全体のプロディユースに不慣れな人が、ついつい陥りそうな事例でもあります。
新しい物をたくさん使えば良いってもんじゃーありません。本人がカッコ良くて志があっても人の物をプロディユースする力は別物なのです。
センスはお金では買えないのですね。
そこで、これなどはとてもスタイリッシュでイマドキの「ラグジー感」を演出しています。

参考資料/イノ・プラグイン|PLUG-IN ■トーヨーキッチンスタイル
しかし、これをリビングの中央に鎮座させて似合いそうな賃貸のイメージを残念ながらワタシには出来ません。
家賃を100万くらい取れば合うのかな・・・
でも、そんな企画は、三井さんや住友さん辺りに任せた方が良さそうですね(笑)。
