[103]緋翔伝 幾千の月のかけらーコミックス全6巻の感想 | 泡沫の雪

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お勧め度:★5が最高です。

・「緋翔伝 幾千の月のかけら」 
・ジャンル:転生、人外、恋愛
・絵柄・ストーリー・お勧め度:★★★★★



[過去の犯した罪から鬼に堕ち、罪人として服役することになった夏木。仕える主の前世の妻だった勇樹が縁で、過去共に生きると誓った瑞穂と再会するのだが…。]



久々に読んだら泣いた。いつの時代も権力者は汚いな。
瑞穂も夏木も陥れられ、追われ、殺された被害者。だが、夏木は殺されまいと、望まないまま刀を振るい、結果として罪を背負うことになる。瑞穂とは近づけない、触れられない、声も存在も一方的なのが切ない。夏木からは存在を知ることができるだけに尚更。それも罰のひとつなのだけれど。

もともと、前世の瑞穂の母が斎の宮で異能の才を持っていたからか、現世瑞穂も多少残っているようで、彼女の作品にそれが表れている。あと夢の中でも。
過去を思い出し、触れられなくても見えなくても、夏木と添い遂げると決意したのはすごいとしか言いようがないのだけど、やっぱり切ない。大切で、想う相手と、意志の疎通すら簡単にできないのだから。

過去世で、夏木の目の前で瑞穂を殺されたときと、その後、瑞穂の魂が彷徨ってたところ。夏木の姿を現世で初めて見られたところ。
読み返さなくても、印象に残ってて泣いたところは変わらんかった。