どうも、こんばんは

本日購入しました漫画のレビューでございます。
「鉄風」太田モアレ

この漫画が凄い2011にランクインした有名漫画です。

扱っている内容は女子総合格闘技、最近人気のマイナー競技題材漫画のひとつとも言えましょう。
ただ、内容にはそれほど(主人公の性格以外は)癖はなく、個性的なグッドアフタヌーン連載勢のなかでは正当なスポーツ漫画としてそのポジションを確立しております。

~ここからネタバレ~

主人公の石堂夏央は何事も才能で常人をはるかに上回る水準でこなしてしまう少女でして、何でもすぐにできてしまう自分の人生に退屈し、努力や挫折を追い求めるという超めんどくさい性格をしております。(作品開始当時はバレー部に所属し、エースであった)

そんなときに出会ったのが馬渡柚子というマユゲが太くてちょっと古い感じの女子総合格闘技をやっている少女であります。

彼女は総合格闘技においてかなりの天賦の才を有する人物であり、さらに努力も怠らない充実した生活を送っておりまして、その彼女のいい表情を見て主人公である夏央は

「この顔を挫折でゆがませてあげたい」

とのたまい、柚子のいる女子総合格闘技の世界に飛び込み、この物語は始まります。
なんというクレイジーな主人公www

その柚子にJ-girlsという大きな大会で勝負しようと公言されたので夏央はその大会を目指すわけですが…



今巻では、夏央の覚醒が始まります。
いくら夏央といっても、足を踏み入れたばかりの女子総合において習得すべきことは山のようにあります。
それらの不足が経験の長い相手との勝負で露呈するのですが、それを持ち前の才能(頭で考えたことが動作に直結すること)によって補い、相手を上回るようになってきます。

そのあとはやりたいように相手を蹂躙し、四ヵ月後のJ-girlsの予選出場への切符も手に入れることとなります。

~ネタバレ終わり~

この作品のスタンスは連載当初から才能>努力であり、それを貫き通すことはこの漫画の武器になるでしょう。
また、主人公のゆがんだ性格にはほかにも原因がありそうですし、その原因のほうにも話が展開するでしょうから、そちらのほうも楽しみでもあります。
これから残り少ない期間でどれほど夏央が進化するのか、そしてできれば余田で叩きつぶされてその後の夏央の心の成長などあればいいなとも思います。

諸君、私は漫画が好きだ!


ということで、漫画批評を自身の整理の意味合いも含めて行おうかなと思います。


シュトヘル 伊藤悠


13c初頭、モンゴル軍侵攻のさなかの西夏。

モンゴル軍に「悪霊(シュトヘル)」と呼ばれた女戦士と、モンゴル軍の配下であるツォグ族でありながら西夏文字に魅了され、その文字を命を懸けて守ろうとする少年の物語。



~以下ネタバレのオンパレードです~


はい、というわけで記念すべき第一弾は歴史学科(笑)にふさわしい歴史物の漫画でございます。


皇国の守護者(原作者と喧嘩して打ち切られたのはナイショ)をご存知の方はそちらのコミカライズ版をなさった作者さんですので、なじみがあるかもしれませんね。


いやー、久々に良作の予感、ビンビンしております。


=こっからあらすじです=


冒頭の説明を聞くと、舞台は完全に中世の東アジアだと思われがちなのですが・・・実は現代日本からストーリーは幕を開けます。


主人公の須藤は、楽器製作をしている親が蒸発中で、不登校気味の男子高校生。

彼は知らない戦場にいるという夢に悩まされ、そちらの世界に既に浸ってしまっています。

その彼の元に現れたのはスズキという女の子。


わぉ、なんと典型的なボーイ・ミーツ・ガール!!


彼女はなんと須藤くんの家に押しかけます。

そこで須藤くんが戯れで作ったある楽器の手に取ると、彼を導くような言葉を発します。

そして次の瞬間には、須藤くんはなんと800年以上前に処刑された女戦士、シュトヘルの身体に乗り移ってしまいました。

シュトヘル(須藤)が生き返って真っ先に目にしたのは、スズキさんにそっくりの少年ユルール。

彼からシュトヘルとの出会いや生き返るまでの経緯を聞き、須藤はシュトヘルとして13世紀の世界でユルールを守ろうと決意しました。


=あらすじがおわりました=


面白いです。

ユルールが西夏文字を守ろうとする理由、そしてシュトヘルが堕ちたところからまた人間らしさを取り戻すところが今のところは見所ですね。


特に、ユルールが自文化にない文字の尊さを認識し、それを命を懸けて伝えようとする場面では彼の聡明さとひたむきさに心打たれます。

人として生まれたならば、野獣のようにただ弱肉強食の世界で朽ちてゆくのではなく人が生きた証を残したいという彼の考えは、シュトヘルの心を融かすきっかけにもなります。


最新刊では大ハン(モンゴルの首領)がどうして西夏文字を滅しようとするのか、その答えも判明してますます面白くなりつつあります。


~ネタバレの嵐は通過しました~


いやー、疲れました。初めてでしたからね。