五月雨の駄詩
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TGS

【僕だけの君】

さっきまで「君」だった「物」が目の前で止まってる



動かなくなった「君」を見て「僕」は悲しめば良いの?

それとも、「僕」だけの「物」になった事を喜べば良いの?



触れてみると冷たくて。

でも次第にそこだけ「僕」の体温に近付いていく…



「僕」は少し笑ってた。



「僕」の思い通りに動く腕、脚、首。
「僕」の指の間をすり抜ける髪。



あんなに遠くて触れることさえ出来なかった「君」が「僕」の思い通りに動く。



瞼を開けさせると「ソレ」は「僕」を見つめてた。
何を見るよりも強い眼差しで。

「僕」だけを…



見てる。





「僕」はまた笑った。



「僕」の「物」になった「君」は従順で。


やっぱり「僕」は嬉しいんだ。



「君」が「君」のままだったなら、きっと「僕」の「物」にはならなかったから。




でも安心してね。


「僕」も「君」だけの「物」になるから。
 
 
 

【言葉】

「愛してる」

なんて言わなくても良いと思ってた。



当たり前すぎて…



僕にとって君がここにいる事と君を愛してる事は自然で当たり前で…



呼吸をするように…
声を出すように…

歩くように…

寝るように…


自然に愛してたから言葉になんてしなくても良いと…

その言葉を発する事さえ思い浮かばなくて…

当たり前すぎて…



でも君にとって「必要」な言葉だったんだね…


君は何故「言葉」を欲しがったんだろう…

例えば「息を吸え」「息を吐け」


君に言ったら喜ぶの?


歩く時に「左手出して同時に右足出して」って言葉が欲しいの?



極端かもしれないけど、それ位当たり前だったんだ…



触れるよりも「言葉」が大事…?



君は「僕」が欲しかったんじゃない「言葉」が欲しかったんだ…




だから僕は言うんだ…

誰にだって…



薄っぺらい「愛してる」を…



君はいないけど…
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