まずい。


また暴走してしまった・・・。



考えてみれば私は子供のときから暴走タイプだった・・。


親戚の人の新築の家にお呼ばれした時も「それはドアストッパーだから乗っちゃ駄目だよ!」の「よ!」の所でドアストッパーに乗り、破壊したり。


「こうすると、○○だから△にしてね!」と言われ、「うん。分かった!」と返事しながらも、そのアドバイスを言われてすぐに行動は・・△ではなく、☆をして大失敗。


という事が何度もあった。


頭では分かっているのに違う行動をしてしまう・・。


大人になって、こういう自分を少しでも分かっていたつもりだった。気をつけていたつもりだったが・・。



昨日、午前中の主婦の情報番組で受験特集をやっていた。


のりゆきのトークDE北海道 「勉強できる脳 母親が変わればすぐに子も伸びる」


と題されていた。


今年は娘も受験生。


母親が変われば・・・という事は、母親が変わらなければ子も伸びにないのか・・


まずい。


私も母として!いっちょ番組でも見て、受験生の親として勉強するかと見たのが悪かった。


そこにでてきたゲストコメンテーターの男性は、やけに響く声で頭をよくするための食べ方、食べ物、睡眠、会話・・の方法を熱く解説していた・・。


ああ。


私は親として何もしていなかった。


英語の教室にしても、近所だし、月謝2500円なら趣味でやってみれば?的なポリシーのない教育方針。


他の親からの情報をたまに聞き、「ええ!そうなの!どうしよう~!」的な・・落ち着きのない教育方針。


しかし、この番組で紹介される賢い母親像は、落ち着いて、しっかりわが子を導いているような気がしていた。


ああ。私、何も導いていない。


この番組を見て私の脳内が焦り始める。


息子などは、このまま親としてのんびりしてていいのか・・・。


娘にも何か私が出来ることはないだろうか・・・。


そうだわ!私がなんとかしなければーーーー!完全に暴走し始める。



まずは娘。なんとしても私が高校に合格させてあげなければ・・・

私が合格させてあげなければ・・と考えているあたり、すでに暴走・・)


娘は今の塾と併用して大手の塾の春季講習会に行ってみたいと言っていたのでネットで探し始める。


大手の塾ではまだ、春季講習の企画中らしく、きちんと日程の決まっているのは個別指導の塾だけだった。


しかし、その個別指導の塾の内容がとても良かったと感じた私は、勝手に電話。


夜に電話でカウンセリングをすることになった。


息子は剣道だったので、剣道仲間のお母さんとそれぞれ自分たちの子供に向いている職業は何か?という話になり、


「○○くん(息子)は明るいし、やさしいし、励ましたりするのが得意そうだから理学療法士なんかいいよ~。国家資格だし」


と薬剤師のお母さんに言われすっかりその気になる。


剣道の帰り道で「理学療法士の素晴らしさ」を息子にとくとくと語り、導こうとするが、まったく相手にされず。


息子は何を言っても駄目だ・・他に私にできることは・・・


よし。次は娘のことを考えてあげよう。


・・と、娘に午前中に電話した個別指導の春季講習とカウンセリングの話をしたところ、娘は絶対にそこには行かない言った。


なぜ行かないかもきちんと説明してくれた。


行かない理由


その1 集団の講習会に行きたい


その2 個別の指導で重点科目を勉強するのは今の塾ですでにやっているので必要ない



ああ・・。そうだった。娘はちゃんと前に私にそう説明していた・・。


しかし、ここにタイミング悪く予約した電話のカウンセリングが・・。


ここで、娘がすでに個別塾は必要がないと言っているのだからお断りすればよかったのだが。


ちょっとでも役にたてばとカウンセリングだけと話し、娘の成績の話をして電話を切った。


すると娘はなぜそんな勝手な事をするのかと怒りだした。


そこへPが2階から登場。


娘にはどんなことであっても、その態度はないという事を諭し、娘はなんとか気を取り直して風呂へ。


そしてPは居間に残された私に一言


「ほっとけ」と。


「カウンセリングは娘が必要なら、本人がすればいいことで、あなたが相談することではない」と。


「俺が、どの高校を受験するか決めるとき、親は何か言ってきた覚えはない。」と。


・・・・。


そうだった・・。


私の親も、「どこの高校へ行きなさい、大学へ行きなさい、ここに就職しなさい」などとは私には一切言ったことはない。


いつだって、私が決めたことを「分かった」と言ってくれていたと思う。


ああ。そんな当たり前のこと・・分かっていたのに暴走してしまった。


私「のりゆきを見たのが駄目だったなー。どーしてあたしってすぐに影響受けて暴走しちゃうのかなー。」


するとPは笑い出す。


P「暴走するのは、昔からだな。いい所でもあるけどさ、今回は怒るの無理ないぞ。カウンセリングったって、自分の事は自分で聞きたいだろうし、説明したいだろうさ。」


・・・。チーン。


もっともだ。もっともな助言。


私「いやー。分かってた。子供の事なんだから子供が決めりゃいいのさ。分かっていたつもりなんだけど、のりゆきを見ていたら、こうしちゃいられないって事になってさ・・・○○(息子)も理学療法士にさせなきゃって思っちゃってさ・・」


と話しているうちに自分の暴走行動を考えるとおかしくなって笑い出しだしてしまった。


そして、今までに私が暴走したエピソードをPに話して、私の今回の暴走劇は落ち着いたのだった。


娘も風呂に入った後は、怒ることなく、サラッと流して普段とおりにしていたのでホッとした。


娘にしても、息子にしても、自分で考え、自分で将来を決めていけばいい。


私の出来ることは、ごはんを作ったり、風呂を沸かしたり、シーツを洗ってやったり、話を聞いてやったり、子供が決めたことを受け入れてやることくらいなんだなーと思った。


そしてのりゆきにはもう絶対に惑わされないぞと心に誓ったのだった。