今日は初心に帰ってアメブロのお引越ししてくる以前に書いたものを思い出そうと思います。


当時、Pは水戸に単身赴任中。私が初めてPの所へ行き、様子を見に数日間過ごしたのち帰る時の話です。


取り立てて、面白い!というものでもありませんが、時々「わたる、今頃どうしてるかな~」と考えることがあります。


それでは、どうぞ!




リターンズ「わたるの話」


そういえば水戸に行った時の話を全然書いてなかったのでちょっとずつ書いておこう。

「水戸から一人で帰ってくるときのくだらない話。」



水戸から高速バスで羽田へ向かう車中で、私の後ろの席に、ある家族が座った。


お母さんと息子(わたる君という名前らしい)通路をはさんで、お父さん。

わたるくんは幼稚園児くらいの子だろうか・・夢中でゲームボーイで遊んでいた。


するとおかあさんがいきなり「わたる!いいかげんにしな!」とゲームを取り上げたようだ。

わたるは「なんだよ!いきなり!ふざけんなよ!」と言い返していた。

前の座席で話を聞いていた私。


最初はわたるの親に対する物言いに憤慨していたが、このわたるのおかあさんは自分に対するひどい物言いには何も怒らないのだが、とにかくわたるのやる事なすことに干渉してくるのだった。

お母さん「わたる!(大声)そんなものするよりお母さんと、しりとりクイズしよう」とわたるを誘っていた。

わたるは「冷蔵庫にあって赤くて丸い食べ物な~んだ?」とかいうくだらない母親のクイズに5問ほどつきあってからまたゲームを始めたようだった。

すると・・・

お母さん「わたる!!!(さらに大声!!)いいかげんにしないと死ぬよ。しりとりしよう」

わたる「てめーなにすんだよ」

お母さん(しばらく絶句)「わたる!!」「わたる!!」


とにかく「わたる」と繰り返し絶叫するのだった。


激しいやり取りの間通路反対のお父さんはいびきをかいて熟睡中。

そのわたるがバスの後ろにあるトイレに行きたいと訴えた時、こんなにあれこれ言うおかあさんなのに、なぜかその時は「一人で行きな」とわたるを突き放した。


私も利用したが高速バスのトイレのドアはちょっと変わった形状でわたるの力ではどうすることもできない。

私は「わたるには無理です!」と絶叫したくなったが黙っていると、近くのおばあちゃんが「おかあさん、ここのトイレのドアは難しいからついていってあげないと無理かもよ」と忠告してくれた。

首都高に入って大渋滞している間、一人で暇だった私だが、暇つぶしに心の中で・・


「わたる!なんて口の利き方するんだ!」


「わたるはクイズ付き合ったんだから、おかあさんもしばらくほっといてやれよ」


「わたる、しっかりしろ!頑張れ!」


「わたる、おかあさんに負けるな」



「わたる、ゲームして良し!」 

と最終的にはわたるの良き理解者となって話を聞いてしまった。


結局、この親子は大渋滞で遅れまくったバスのせいで飛行機搭乗15分前に羽田に到着し、大慌てで降りていった。

私も自宅にやっと帰ってきて次の日、息子がゲームをずっとしていたので、思わず「わたる!」と叫んでしまった。息子は「?わたるって何?」と不思議そうにしていた。






このわたるクンに遭遇した後、しばらくの間、我が家ではテレビゲームをやり過ぎた状態を「わたる状態」と言っていました。


「わたる!ゲームやめなさい!」ってね。