むかしむかし、人の身体には頭、内臓、下半身に一匹ずつ仲良く暮らす虫が暮らしておりました。
この虫たちは人間の寿命を管理する神様から、暮らすための人間の身体を斡旋してもらう代わりに、その人間のありとあらゆる行いをだいたい2ヶ月に一回くらいのペースで神様に報告しにいく仕事をしながら暮らしていました。
人の頭の中で暮らすとても賢そうな雰囲気を醸し出すのが得意な小さな人間の姿のウエトさん、
人のお腹の中で毎日ご機嫌に暮らしているおバカな子犬みたいな姿のナカトさん、
人の下半身でくらす牛の頭から何故だか人の足が生えてしまったようなちょっとお茶目で変わった姿をした心優しいゲコさん。
3匹の虫は何年も何百年も何千年も、人間が新しく生まれる度に住まいを与えられ、人間の中で暮らし、沢山の人の寿命を神様からの報告の褒美として許された分だけ食べながら、3匹仲良くのんびり暮らしておりました。
そんな3匹がある日、神様のところへ人間の行いを報告しに行こうと人の身体から抜け出そうと人が寝静まるのを待っていたところ、
まったく人間が眠りにつかず抜け出せない日が数年くらい続くようになりました。
3匹の虫は困り果てました。
神様に人間の行いを報告しなければ、自分たちが一体どのくらいこの人間の寿命を食べてしまっていいのかちっともわからないからです。
ちょっと前に暮らしていた、人の良さそうな男も数年すこし眠らなくなったため、食べていい寿命の加減がわからず見にお腹がすきすぎて我慢出来なくなった3匹の虫たちが、50年分の寿命を2ヶ月ですっかり食べ尽くしてしまったこともありました。
3匹の虫たちもとても住み心地のよかった人間の身体を追い出される羽目になり、少し反省などもするのですが、やっぱり目の前の美味しそうな人間の寿命をみると、我慢出来ずに食べ尽くしてしまうのでありました。
人間の寿命を管理している神様も、3匹の働き者でとても素直な虫たちのことをどうしても怒りきれない所があるので、せめて虫たちが報告しやすい環境を用意しようと、人間の世界に降り立ち、人間によく眠れる為の枕と軽い羽毛布団とふかふかの毛布を与え、さらにそれらをシングと名ずけ、それらの道具の研究・開発を進めさせ、人間を深く眠らせるための業務環境改善を熱意を持って進めておりました。
その努力のかいもあり、
人間は再びよく眠るように……なった者もいれば、相変わらず、まったく眠らないために、3匹の虫たちに本来の寿命を維持出来る程度の配分を伝えられず、短い期間で寿命を尽きさせるものの両者が現れ始めました。
人間の寿命を管理している神様は、となりのデスクで働く星の寿命を管理している神様にいつもグチります。
人間の行動はみていて非常に出鱈目でみていて呆れはするものの飽きることはないのだけれど、きっとこの仕事ができるのもせいぜいあと数千年くらいなのだろうなと最近、とくに感じるんですよね。
あー。
はやく地球以外の惑星一個、始まりからまるごと担当させてもらえないかなー
3匹の虫たちに任せっきりだった寿命管理システムのアップデートにも取り掛かりたいのに、最近なかなか行動データが集まらなくてまじ困るんですよねー
あー。もっとみんな命を大事にしてくれたらいいのに。