いつも思うのだけど、アカデミー賞にノミネートされる
作品ってどうして、日本での公開が遅いの?
そして、どうして、単館上映の作品が多いの?
ノミネートされる作品って、アメリカでも、単館上映なの
かな??
ヒット作品ではなかったの?
もし、そうでないとしたら、日本の配給会社は見る目が
ないってこと??(笑)
今回、アカデミー賞の作品賞を含む3部門を受賞した
「クラッシュ」も上映してる所を探すの結構苦労した。
それでも、元々は、単館系シネマだったのが、
オスカー受賞で、改めて拡大上映されたそうで・・。
「クラッシュ」-”crash”というのは、”ぶつかる・衝突する”の意。
その題名とおり、この映画も、ロスのハイウェイでの激しい
衝突事故から始まる。
でも、”車の衝突”だけを、クラッシュと言っているのではない。
実際は、そこにいあわせた人種・職業・階層、趣趣雑多な人々を
取り巻くいろいろな場合・場所での”クラッシュ”がテーマ。
これが、わずか、2時間の映画でありながら、実に丁寧に
描かれていく。
「クラッシュ」という題名。よく見かける、事故で助け出されるシーンを
作品ってどうして、日本での公開が遅いの?
そして、どうして、単館上映の作品が多いの?
ノミネートされる作品って、アメリカでも、単館上映なの
かな??
ヒット作品ではなかったの?
もし、そうでないとしたら、日本の配給会社は見る目が
ないってこと??(笑)
今回、アカデミー賞の作品賞を含む3部門を受賞した
「クラッシュ」も上映してる所を探すの結構苦労した。
それでも、元々は、単館系シネマだったのが、
オスカー受賞で、改めて拡大上映されたそうで・・。
「クラッシュ」-”crash”というのは、”ぶつかる・衝突する”の意。
その題名とおり、この映画も、ロスのハイウェイでの激しい
衝突事故から始まる。
でも、”車の衝突”だけを、クラッシュと言っているのではない。
実際は、そこにいあわせた人種・職業・階層、趣趣雑多な人々を
取り巻くいろいろな場合・場所での”クラッシュ”がテーマ。
これが、わずか、2時間の映画でありながら、実に丁寧に
描かれていく。
「クラッシュ」という題名。よく見かける、事故で助け出されるシーンを
映したスチール写真。雑誌などの紹介記事。
これだけが、予備知識であったが、見る前は、人種差別をテーマにした
骨太の社会派ドラマか、はたまた、アクションドラマか・・と思っていた。
ところが、実際は、ひとことでは語れない”人間の心”の複雑さというものに、
これだけが、予備知識であったが、見る前は、人種差別をテーマにした
骨太の社会派ドラマか、はたまた、アクションドラマか・・と思っていた。
ところが、実際は、ひとことでは語れない”人間の心”の複雑さというものに、
真っ正面から向き合い、じっくりと描き出した人間ドラマであった。
展開的には、「24」である。
同時進行でいくつもの”ドラマ”が進行していき、その”ドラマ”の
それぞれの主人公がいろいろな場所で接点を持つ
こういう形式のドラマだと、やたら、薄っぺらなエピソードの
てんこ盛りやら、派手なアクションの連発やら、映画が終わっても
展開的には、「24」である。
同時進行でいくつもの”ドラマ”が進行していき、その”ドラマ”の
それぞれの主人公がいろいろな場所で接点を持つ
こういう形式のドラマだと、やたら、薄っぺらなエピソードの
てんこ盛りやら、派手なアクションの連発やら、映画が終わっても
整理しきれない複雑な人物関係な~んて事しか印象に残らない
作品が多い。
この映画も、確かに、登場人物どおしの接点があまりにも偶然すぎ
”現実にはありえない偶然な出会い”(←女医が誰だったか、気がつき
この映画も、確かに、登場人物どおしの接点があまりにも偶然すぎ
”現実にはありえない偶然な出会い”(←女医が誰だったか、気がつき
ました~?)なんて所があるにはある。
だが、ひとつひとつのエピソードが、決して薄っぺらなものではなく、
それぞれが、見る側にいろいろな問題を提起し、じっくりと考えさせて
くれる。
エピソードも”人種差別”と言う問題だけにとどまらず、介護問題、
だが、ひとつひとつのエピソードが、決して薄っぺらなものではなく、
それぞれが、見る側にいろいろな問題を提起し、じっくりと考えさせて
くれる。
エピソードも”人種差別”と言う問題だけにとどまらず、介護問題、
夫婦問題、親子の関係など人間をとりまくさまざまな問題をテーマに
している。
そして、なんと言ってもこの映画の素晴らしいところは、この手の映画だと
そして、なんと言ってもこの映画の素晴らしいところは、この手の映画だと
やたら重くなったり、後味の悪い思いをする事が多いのであるが、
この映画の監督も脚本も”人間”をとても暖かい目で見ている所にある。
この映画の脚本家は、「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家だそうだが、
あの映画もテーマの重さに反して、見た後、何故か、清々しい涙を
流させてくれた。この映画も同じである。
夏目漱石は、その小説「こころ」で、
「そんな鋳型にいれたような悪人は世の中にあるはずがない。
平生はみんな善人なんです。」
・・と書いていたが、この映画を見て、その一節をふと
思い出した。
夏目漱石は、その小説「こころ」で、
「そんな鋳型にいれたような悪人は世の中にあるはずがない。
平生はみんな善人なんです。」
・・と書いていたが、この映画を見て、その一節をふと
思い出した。
人は、ちょっとしたきっかけで、善意に満ちた人間にもなれば
悪意に満ちた人間にもなる。
アメリカにおける人種差別の根は深く、単一民族で国家を形成
している日本人には、安易に口を挟める問題ではない。
ただ、これだけは言えると思うのは、人種差別というのは、先入観に
よる偏見以外の何物でもないということである。
人間に”本質的な悪人”というものがいないのなら、深刻な人種差別も
各人のちょっとした心の持ちようで、もしかしたら無くすことができる
のではないだろうか。
そんな救いの部分を残してこの映画は終わったような気がする。