今回は歯はどのように作られるのかお話しましょう。むし歯で失った部分をおおう金属冠の場合です。

まずは診察室にて

1)虫歯をとって、必要な場合は歯の根の中の神経の治療(根管治療)をする

2)決められた形に削って整える(き~~~ん)

3)粘土のような材料で型を取る
$院長の雑談-型を取る

4)かみ合わせ部分の型を取る

5)仮の詰め物、仮の歯を入れる

その後、技工室で……

1)型に石膏を流し込んで模型を作る
$院長の雑談-石膏を流し込む

$院長の雑談-石膏を流し込む2

2)かみ合わせを再現する咬合器という装置に石膏の模型をセットする
$院長の雑談-咬合器にセット

3)ワックスで歯の形を作る
$院長の雑談-ワックスで歯を作る

4)鋳型を作る
$院長の雑談-鋳型を作る

5)炉に入れてワックスを燃やす
$院長の雑談-炉に入れる

$院長の雑談

6)金属を溶かして遠心鋳造機で鋳型の中に金属を流し込む
$院長の雑談-鋳型

7)掘り出し

8)調整

9)研磨
$院長の雑談
新しい歯が出来上がりました。

いよいよ患者さんに出来上がった歯をつけます

1)適合を確認しかみ合わせや歯の接触調整

2)表面を磨く

3)むし歯を削った箇所に新しい歯をセメントでセット!

このようにしてむし歯で失った部分をなおします。
1本の歯を再生するのにこれだけの工程があります。
再生する歯はどれも完全オーダーメイド。しっかり治療した歯をきちんと手入れして大切な臓器の一部として使っていただきたいです。
でも、保険の治療で使用できる金属は限られており、その組成は国で決められています。金が12%、銀が50%、Pd20%、銅15%。残りの3%はZn、Sn、Inなどなど……。このあたりはメーカーによって異なります。
この保険の歯は年を経るごとに金属疲労により劣化します。
「イオン化傾向」って覚えてますか?口の中で金属は溶解していくのです。また、質の悪い金属ほど早く溶け出します。
このような理由で歯科医院では再生する歯の素材として「安定した組成」で「丈夫で長持ちする」金やセラミックをお薦めするのです。
保険で治療する歯の寿命は10年以下と言われています。
保険以外の素材にはそれぞれの良いところや特性があります。治療の際はどんな素材を使用するか、ぜひご相談下さい。