前回はお子さんに対して気をつけていただきたいことを書きました。
今回は、お年寄り……特に要介護のお年寄りの口腔ケアーについてお話しします。

介護をする方に知っていただきたいこと

歯科さめじまでは週に一回特別養護老人ホーム「しなの森のさと」の往診に携わっています。(在宅の方への往診は行っておりません)そこでの経験をふまえて、介護に携わる人にお伝えしたいことをまとめてみました。

最も気をつけたい「誤嚥性肺炎」

高齢者の死亡原因の上位には「肺炎」があがります。
そして、高齢者の肺炎のほとんどは「誤嚥性肺炎」です。
誤嚥性肺炎は口腔内の細菌や胃液が誤って気管に入ることで発症します。
必要なのは風邪対策だけではありません。
飲み込んだり、咳をする力が弱くなったお年寄りには「誤嚥」防止が必要なのです。

誤嚥性肺炎予防3か条!

1「入れ歯」のお手入れを!
古い義歯、お手入れ不足の義歯にはカンジダ=カビが付着しています。
きちんとお手入れした清潔な入れ歯を使うようにしましょう。口腔内の原因菌が少なくなり、肺炎予防になります。

2残っている歯をしっかり歯磨き!
加齢とともにだ液の量が減り、自浄作用が低くなってきます。
歯がない、あるいは少ないからと言って、歯磨きを怠ってはいけません。
歯周病、虫歯、口臭の原因になりますし、歯周病菌は心筋梗塞、糖尿病etc.…を引き起したり、悪化させることはご存知の方も多いと思います。お口の中の環境を守るために、「歯磨き」をしっかり行いましょう。
歯ブラシ選びを工夫することで、残った少ない歯でもきれいに磨くことができます。
$院長の雑談-マキシマ


3ブクブクうがいを!

なぁんだ、と思うようなことですが、ブクブクとほおを動かしてうがいすることは、噛んだり、飲み込んだりする筋肉を衰えさせないために大変有効なトレーニングなのです。

噛めなくなってキザミ食、ミキサー食に移行すると脳へのインパルスが減り、認知症の方は確実に症状が進んでしまいます。噛むこと、食べることを支えることは、高齢者の生活を支えることになるのです。

また、認知症の症状のある方には必要ならすぐに義歯を作って、噛むことができるようにしてあげましょう。歯のない方にも、粘膜をスポンジブラシでこすってマッサージして下さい。
口腔内を充分にケアーすることで高齢者の健康をしっかり守ることができます!

おまけ
$院長の雑談
「私も歯みがきだいすきです!」