12月18日(土)
 
「ノルウェイの森」が出版されたのは1987年。大学生だった姉が買ってきたのを高校生だったワシは読んだのですが…赤と緑の派手な表紙は覚えているのですが、正直内容はほとんど覚えてません。20年以上前だから?いや、この頃読んだ本はワリと良く覚えているのです。しかし、この「ノルウェイの森」は…覚えてません。やたらとセックスの描写が出てくる本だな~って思った程度。なんでこんなに人気があるのか理解できない、ってのが感想でした。たぶん、あまりよくわからなかったのでしょう。きっと、今読み返せば違った感情がわくはず、なんて思いながら、映画の方を観ました。
 
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キヅキと直子は恋人同士だった。キヅキの友人であるワタナベと3人で過ごした楽しく、濃厚な高校時代。しかし、卒業を待たずにキヅキは自殺。3人の絆はそこでいったん断たれる。ワタナベは東京の大学へ進学、本ばかり読んで過ごしていた。そんなある日、ワタナベは直子と再会する。死んだキヅキのことには触れず、互いを懐かしむ二人はやがて愛し合うようになる。しかし、二人の関係が深まれば深まるほど、「キヅキの不在」が大きく重くのしかかるようになっていった…。心を病んだ直子は東京を去り、一人残されたワタナベの前に緑という美少女が現れる。奔放な緑に翻弄されるワタナベだったが、直子を忘れることは出来ない。ワタナベと直子、緑の奇妙な三角関係は、しかし、ある日突然終わりを告げるのだった。それは……
 
こんな話だったかな~ってのが正直な感想です。ワシが考える村上春樹作品の魅力は、現実世界からほんの数ミリだけ遊離した別世界を作り上げ、現実世界とその別世界を違和感なく両立させながら2つの世界に翻弄される男と女の感情を巧みに描くというところにあると思うのですが、どうやら「ノルウェイの森」はそんな作品ではなかったようです。少なくとも映画はそんな作品ではありませんでした。つまり、ワシが考える村上春樹作品の良さはこの映画からは全く感じられませんでした。
 
感じられたのは、これは村上作品すべてに共通するのですが、登場人物がみな、異様にセックスに執着するところ。そんなにセックスが大事かい!と突っ込みを入れたくなるほど、男も女も、若者も年寄りも、セックスが好き。まあ、モチーフがしっかりしてればこの「セックス依存症」的な傾向もあまり気にならないのですが、この作品(この映画)はその辺の軸がはっきり見えなかったので、かな~り気になりました。というか、うざかった。
 
しかし、村上春樹のことを忘れて、普通の映画としてみた場合、ちょっと評価は変わってきます。トラン・アン・ユン監督の作品は「青いパパイヤの香り」しか観たことはありませんが、この「ノルウェイの森」ではその独特の映像感覚がなかなか見事でした。ワンカット・ワンカットの撮り方というか、むしろ編集の仕方が独特で、心象風景的なカットのインサートの仕方や、シーンとシーンのつなげ方が独特で面白かった。主演の松山ケンイチと菊地凛子があまり美しすぎないのもリアルでよろしい。逆に、緑とレイコは美人すぎ?とにかく、「ノルウェイの森」は20数年ぶりに読み返してみることにします。
 
★★※☆☆(ホシ二つ半)