2月4日(金)
第144回直木賞受賞作、道尾秀介「月と蟹」読みました。ワシ、この人嫌いなんだよね。いや、読んだのは「向日葵の咲かない夏」って本、一冊だけなんだけど、この本がものすごく出来の悪いミステリーだったのに加えて、この人の髪型とかファッションとか、なんか売り出し中の若手作家を絵に描いたみたいですごく気持ち悪いのだ。ちゃんと作品で勝負してほしいねぇ、と思っていたところ、直木賞を受賞したとのこと。「向日葵」は文章もへたくそで、途中でかなり嫌になったけれど、少しは上手にかけるようになったのかな?ということで読んでみました。

父親の会社が倒産し、東京から鎌倉の小さな町にやってきた慎一。学校になじめず、友達も出来なかった慎一だが、同じ転校生の春也とはウマがあった。生い立ちと家庭に複雑な事情を抱える二人は、海で取ったヤドカリを山の上で飼育し、その中の一匹を神様に見立てて願をかけるという遊びに熱中し始める。お金が欲しい、いじめっ子がひどい目に遭えばいい。二人のささやかな願いをヤドカリの神は見事にかなえてくれた。しかし、二人とも口には出して言わないが、なぜ願いが叶ったのかを知っていた。ヤドカリの神の正体…。やがて、クラスメートの女の子との三角関係が二人の友情を揺り動かし、目を背け続けてきた「現実」と向き合った時、「ヤドカリの神」は恐ろしい行動に出るのだった…。
ワシはこの人の本、二冊しか読んでいないのでよくわかりませんが、二冊が二冊とも子供が主人公の話です。そのわりに…この人、子供の心がよくわかってないのではないでしょうか?「向日葵」はきわめてエキセントリックな子供の話だったので、まあ、それはそれで良かったのですが、この作品の主人公は複雑な背景を背負ってはいても、ごく普通の子供でなくてはいけないはず。でも、ワシからみると、登場人物の子供たちは3人が3人ともきわめて不自然な心の動きと、それに基づいた言動を作品中で展開します。物語の展開的にも、伏線が回収されていなかったり、ほとんど本筋と関係のないエピソードが長々と語られたり、あまり上手に書かれてはいないことは明々白々です。とはいうものの、主人公のキャラクター設定が物語の途中でがらりと変わってしまう「向日葵」に比べたら上出来です。100点満点の3点ぐらいが、30点ぐらいには進歩してます。それでも、直木賞を取るような作品にはワシにはどうしても思えませんでした。
★※☆☆☆(ホシひとつ半)