9月24日(土)
「クラッシュ」のポール・ハギス最新作。「モテキ」と迷いましたが、やっぱこっちかな。

大学講師のジョンは妻のララ、ひとり息子のルークと、ささやかだが幸せに暮らしていた。しかし、ある日その暮らしが一変する。突然、自宅に警察が押しかけ、ララを逮捕。職場の上司を殺害した疑いをもたれたのだ。当日、殺害された上司と激しく口論していたこと、コートに付いた血痕、凶器に残った指紋、そして、殺害現場から立ち去るララを観たという目撃証言…。すべての証拠がララの有罪を示していた。ララは起訴され、一審、二審での有罪が確定してしまう。最高裁への上訴を求めるジョンだったが、弁護士は冷たく突き放す。「現実を見ろ、彼女の犯行は明らかだ」。愛する妻を取り戻すため、再び家族三人で幸せに暮らすため、ジョンは彼女を脱獄させることを決意する。しかし、一介の大学講師に過ぎないジョンには、国外脱出用の偽造IDを手に入れることすらままならない。はたして、ジョンは妻を取り戻すことができるのか・・・
あらすじを思い出すと、けっこう派手な話なんですが、実に地味で控えめな映画に仕上がっています。監督の過去の作品に比べても、地味です。まあその分、しみじみとした味わいはあるのですが…。中盤、偽造IDやパスポートの取得に悪戦苦闘したり、刑務所の鍵の偽造に失敗したり、素人らしい失敗が続きますが、ラストは見事に警察を手玉にとってベネズエラへの脱出に成功。この手の映画にしては珍しいハッピーエンドになってます。それが唯一の救いかな。
地味な演出の中で光ったのは、はやり俳優たちの演技。木訥としたラッセル・クロウやエリザベス・バンクスはもちろんなんですが、効いていたのはジョンの父親役のブライアン・デネヒー。ほとんど台詞はないのですが、ものすごい存在感でした。見終わってから知ったのですが、この映画、2007年の同名フランス映画のリメイクだそうな。う~ん、なんか最近多いですよね~こういうスタイルのリメイク。でも、ポール・ハギスにはちゃんとオリジナル作品を作って欲しいなぁ。ちゃんと話も作れるんだから、オリジナルを作って欲しい。
★★※☆☆(ホシ二つ半)