{4C2DD1ED-C5D3-4BEC-896D-56623FFBA7CA}


ニューヨークで日本語の本を買うとなると、郵送費も加わるからめちゃめちゃ高い。

 

 

だから数ヶ月前に、日本語の本を借りることができる図書館を見つけた時は、狂喜乱舞でした!!

 

 

以来、週に1〜2回は図書館に通うように。

その中で面白い小説をいくつか読んだので、ブログでも紹介していこうと思います。

 

 

 

オススメ度★★★★★

 

いや〜、とにかく泣いた。

本の帯に「4回泣きます」って書いてあったけど、5〜6回は泣いた。

 

私はお風呂の中で本を読むタイプで、

この本も湯船に浸かりながら読んでいたのだけれど、風呂場からすすり泣く声が聞こえてきて、夫は怖がっていました(笑)。

 

そして、この本は設定も面白いんです!!

 

▼以下あらすじ。

 

ある喫茶店のある席に座ると、過去に戻れるが、

めちゃめちゃめんどくさいルールがある。

 

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない

2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない

3.過去に戻れる席には先客がいる

その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ

4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない

5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、

そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

 

そんな不思議な喫茶店で起こる4つの物語が、もう涙腺崩壊なんですよね。

 


また驚きなのが、この「コーヒーが冷めないうちに」は、著者の川口俊和さんが初めて書いた小説だということ。

 

 

もともと川口さんは舞台の脚本や演出をしていて、この本の編集者さんがその舞台を見て感動し「ぜひ小説にしたい!」とオファーしたことが初まりだったのだとか。

 

 

初の小説なのに、こんなに心打つ作品を書けるなんて。。。。川口さんって一体何者なんだ!?

 

 

とにかく、読んだ後に心がほんわかあたたかくなる鮫川イチオシの一冊です。

 

ただ号泣必至なので、デートの前とかは読まない方がいいです。目が腫れて土偶みたいな顔になりますから。

 

 

舟を編む 舟を編む
1,520円
Amazon

 

オススメ度★★★★★

 

この「舟を編む」もよかった!!

新しい辞書を作るために、日々言葉と向き合う編集者たちの汗と涙の物語。

 

登場人物も、みな愛すべきキャラクターで、

彼らの会話が微笑ましくて、読みながらくすっと笑ってしまうこと多々。

 

辞書が完成した時は、私まで胸が熱くなってしまい、涙が溢れました。

 

情熱を持って仕事をするっていいな。

私も物書きのはしくれだから、改めて言葉に向き合う仕事っていいな。

なんて思いました。

 

 

蜜蜂と遠雷 蜜蜂と遠雷
1,944円
Amazon

 

オススメ度★★★★

 

直木賞と本屋大賞をダブル受賞した、恩田陸さんの作品。

ピアノコンクールを舞台に、若き天才ピアニストたちがそれぞれの音楽を追求し闘うお話。

 


音楽の世界は厳しいと聞くけれど、その中でもピアニストは特に、もっとも厳しい環境で戦わなければならない人たちなんじゃないかな。

 


だって、たとえばオーケストラには、バイオリニストは何人もいるけれど、ピアニストで採用されるのは一人。



競争率が高すぎる職業だよ!!

 


いくら才能があったとしても、朝から晩まで練習したりとどんなに努力しても、ピアニストとして活躍している人って、本当に一握りなのだ。

 


またこの本の舞台となるコンクールは、世界的なコンクルートということもあり、


天才ピアニストたちの戦いが凄まじいし、彼らの緊張感やプレッシャーが読んでいる私にまで伝わってきて、ずっとドキドキでした。


 

そして、著者の恩田陸さんって、本当に偉大な作家なんだなぁと改めて思いました。


 

人物の心理描写、情景描写もさることながら、「あなたは音楽業界の方ですか?」というぐらいクラシック音楽の知識が半端ないし、そもそも音を文字だけで表現するって、すごくないですか!?


 

彼女の文章を読んでいると、本当に目の前で音楽が奏でられているかのよう。

文字だけで、こんなに表現できることが驚きだった。


 

そういう意味でも、この本は「文字の芸術」だなと思いました。


 

恩田陸さんは、私の高校の大先輩でもあるので、いつかお会いしてインタビューしたいな。

密かな私の夢です。


 

それまでに、私も物書きとして成長しなければ!!

 

 

 

オススメ度★★★★

 


不登校の中学生の女の子が、山奥に住むイギリス人のおばあちゃんの家で1ヶ月暮らし、「魔女修行」という名目で、おばあちゃんから生きる知恵を学ぶ話。

 

 

おばあちゃんと野いちごを摘んで、たっぷりのお砂糖と一緒にお鍋でグツグツ煮てジャムを作るシーンや、


飼っている鶏が産んだ新鮮な卵を使って、朝食を作るシーン、


ハーブの葉を摘んで、ハーブティーを作るシーン、


ベットのシーツをミントの芝生に干して、その香りがついたシーツをとりこむシーン。。。などなど


 

ページをめくりながら、

まるで私も山の中で、おばあちゃんと一緒に暮らしているような気持ちになりました。

 


そして、そんな体験をしたことがないのに、なんだか懐かしくて愛しくて、

宝物のような素敵なエピソードがたくさん詰まった本でした。


大人だけでなく、子供にもオススメの作品です。

 

 



他にも紹介したい小説がたくさんあるので、今後は備忘録がてら、ゆるゆると綴っていこうと思います。