「鮫川さんは、何歳から本を読んでいるんですか?」
昨日、本好きが高じて新聞に載ったという投稿をしたけれど、インタビューの際に、編集者さんからこんな質問をされた。
思えば小学生の頃は、今よりずっと読書家だった私。毎日1冊は読んでいて、図書館では上限に達するまで本を借りて読んだ。
けれど、その前の記憶がない。
そこで母に確認したところ、
「この本が、かなちゃんのデビュー本だよ」とある絵本の写真が送られてきた。
父が2歳の誕生日プレゼントに、私の名前がタイトルになっている「かなちゃん、ゆーらり ゆーらりこ」という絵本を買ってくれたのだという。
母はさらに、2歳9ヶ月の頃の写真も送ってくれた。
母が家事をしていた間に、
私が変なポーズで寝ていて、
あまりにも可笑しかったので、撮った写真だそう。
「この頃、お父さんが仕事帰りに絵本をたくさん買ってくれて、周りにその絵本がいっぱいあるから、1人で読みながら寝ていたのかも。この頃から本が好きだったのね」と母。
そういえば、父は毎晩寝る前に絵本の読み聞かせもしてくれた。
母曰く、
父の朗読中、1歳年下の弟は途中で飽きてしまい歩き回っていたけれど、私は父の話を真剣に聞いていたらしい。
アンデルセン童話などの怖い話の時は、
眉間にシワをよせて、固まって聞いていたそう(笑)
確かに、父が読んでくれる絵本が好きだったこと、今でも覚えている。
たくさん絵本を買ってくれて、
仕事帰りで疲れていただろうに
毎晩読み聞かせてくれた父。
このインタビューを通じて、
私が本を好きになったのは、父のお陰だったのだと気づいた。
今、文章を書く仕事をしているのも、もしかしたら父の影響なのかもしれない。
そう思ったら、感謝の気持ちでいっぱいになった。
お父さん、ありがとう。