2010年春ドラマ、日本テレビのMother

 第一印象だけだと、「暗い」、「重い」という感じでした。第1話を見たときは、同じ次屋プロデューサーで2009年同じ枠のドラマの「アイシテイル 海容」のようなものかと思いました。しかし、1年で思いっきり進化していました。回を重ねるごとにその実態が明らかに・・・・。

 Motherは、「暗い」とか「重い」のではなく、「深い」のです。
    児童虐待と学校や児童相談所の無力さ
    運営者に依存した児童保護施設、一人暮らしの痴呆老人
    親に捨てられた子供
    母子家庭
などなど。
 これらの一つ一つが大きな社会問題です。しかし、その大きな問題同士が複雑にからみあっていて、違和感がない。(そもそも理由はともあれ急に教え子を誘拐してしまうこと、奈緒が実の母に会ってしまう、奈緒がそれに気づいてしまうところは非現実的ですが、作品としては気になりません)

 最終回が心配です。
 奈緒と継美(怜南)が再会して・・・・・。もしかして、最悪の結末も・・・。

以下、自問自答と予想です。

 奈緒が継美の母親になることは不可能なのか?
 法律には素人ですが、児童福祉法の文字面だけ読めば、執行猶予期間が明ければ里親になれるように読めるけれど、理由は何であれ誘拐した子供の里親になることは非現実的。

 でも、奈緒は大学を出て教員免許も持っていて、大学に残って研究者だった人物。
 検察官の取調べで、誘拐がばれるリスクがあるのになぜ継美を小学校に通わせたのかとの質問。それに対して普通の子供のようにさせたかったとの答え。週刊誌に書かれたような「一人暮らしの寂しい女が子供がほしくて誘拐した」とは、全く違う真実。単にかわいいから誘拐したのではなく、怜南のため。母性。それには普通の子供と同じように小学校に通わなければ(誘拐した)意味が無い。

 裁判シーンがほとんどない。普通だったら裁判中のやりとりがあってもいいはず。裁判では真実が明らかにされたのでは?。
   ●有罪は当然。これで無罪になったらおかしい。理由は何であれ、誘拐するのはとんでもない。
   ●明らかな計画的犯行。水難事故に見せかけた巧妙な手口。
   ●DVを偽装して小学校に通わせたり、偽造戸籍を買おうとしている。
   ●教師だったら誘拐なんかしなくて、もっとやるべきこと、できることがあったはず。
   一方で、
   ○営利や自己満足のために誘拐したのではない。ただ、怜南にごく普通の子供と同じような生活をさせたか     っただけ。
   ○だから、自分の体を傷つけてまで小学校に通わせた。
   ○誘拐してしまったのは奈緒が親に捨てられた過去の影響から。

 刑法224条の未成年者略取及び誘拐罪の法定刑は3月以上7年以下の懲役。懲役1年執行猶予3年の判決はどういう判断なのか。もし軽いのならば裁判の時に、奈緒が本当の母親になろうとしたことが認められたのでは?

 怜南の実の母親が親権放棄や自殺すれば・・・、最悪のシナリオではなく、ハッピーエンドもあり得るのか?同じ次屋プロデューサーの「アイシテイル 海容」はハッピーエンドだった。

☆予想1
 怜南の実の母仁美が親権放棄または自殺。実の親がいなくなり、執行猶予の明けた奈緒が怜南の里親になり、養子縁組という結末。これが一番気持ちがいい。

☆予想2
 あまり好きではないが藤吉記者が怜南の里親になり奈緒と結婚・・・独身の男が里親になれるかという疑問あり。それにやっぱりよくない。そもそもこのドラマに恋愛的要素はない。最悪。

☆予想3
 施設を抜け出した怜南と奈緒は二人で海の中へ・・・・ これも最悪。

☆予想4
 奈緒は幼い時に捨てられて恨んでいたはずの葉菜を「お母さん」と呼び、育ての親にも言われ、最期を看取ることにした。ということは、「継美の本当の幸せは実の母親の下で幸せに暮らすこと」、継美の母である奈緒がそう考えたら・・・・。
怜南の実の母親仁美の罪は刑法第218条保護責任者遺棄、法定刑は3月以上5年以下の懲役。情状酌量の余地は少なく、奈緒より重い刑になるかも。服役している怜南の母に面会に行き、改心したことを確認できれば・・・。仁美が逮捕されるとき「私を死刑にして」と叫んでいた。わが子を虐待する醜い母から本来の母に生まれ変わる産声かも・・・。
 予告にあった浜辺で奈緒が怜南を抱きしめるシーン、実の母と暮らすよう説得、別れを告げる。怜南は刑期を終えた実の母親と幸せに暮らす。奈緒は鈴原家に戻り、影からそっと二人を見守る。
しかし、実の母親と幸せに暮らしても怜南は奈緒を忘れない。怜南にとって実の母仁美は「ママ」、そしてもう一人怜南にとって奈緒は「お母さん」。幼いころ辛い目にあった怜南だが奈緒と同様に二人の母を持ち、強く、真っ直ぐに育っていく・・・・・・完
 奈緒、怜南(継美)、仁美、鈴原家の母妹のすべてにとってハッピー、うっかりさん葉菜も奈緒から継美を実母に返すことを聞いてから奈緒に看取られて安らかに亡くなる。
これが、一番のハッピーエンド。     これで決まり。