
「ブリック」原題:Brick ドイツ 配信:2025年7月
「もしも、こんな世界に遭遇してしまったら?」という物語の中心にワンアイデアが貫かれている世界観を見るのは、想像力が刺激される。
ドイツの都市部に住む夫婦ティムとリヴ。ある朝、彼らが住むアパートの建物が、一夜にして突然謎めいた黒いレンガの壁に取り囲まれてしまう。何とか壁の向こう側に逃げ出そうと、ふたりは隣人たちと力を合わせて必死で脱出方法を模索し始める。
レンガの壁に取り囲まれ、水道もWi-Fiも使えない。これは、黒いレンガの壁の外に早く出ないと、死んでしまう状況だ。レンガの壁に穴を開けようとしても無駄で蹴っても何をしてもびくともしない。
外が黒いレンガに囲まれているならば、アパートなので下の階や隣には行けるということで、隣の壁をぶち壊したり床の部分をぶち壊したりしながら協力者を増やしていく。まさしく思考ゲームを見ているような面白さ。
やがて黒いレンガの形に規則性があることに気が付く。そして建物のオーナーが住民を監視するために設置していた隠しカメラの映像を見ることにより、黒い壁の謎が徐々に解き明かされていく。
また、主人公の二人の間には心の壁ができていた。リヴは2年前に流産し、それをきっかけに・夫ティムとは心が離れていた。突然、できた黒いレンガの壁を壊すことと同時に、二人の間にできていた心の壁も壊すことができるのか・・・・・・。
当映画、よくこんなアイデアを思いつくものだと思った。脚本も兼ねている監督・フィリップ・コッホの才能に驚いた。同じようなシチュエーションスリラーの面白い映画に「CUBE」(1997)や「プラットフォーム」(2021)を挙げている人もいるので、そちらも今後見たいと思った。