タレントのMatt(32)と聞いて、まず思い浮かぶのは、まるで人間離れしたマネキンのような容姿です。一方で、具体的にどのような分野を専門としているのか、今ひとつつかみきれない存在でもあります。
改めて調べてみると、Matt Rose(マット・ローズ)は、タレントやモデル、ミュージシャン、ビューティーディレクターなど、多彩な肩書を持つアーティストです。元プロ野球選手の桑田真澄氏を父に持ち、人形のような美しさを追求した独自のメイクでも知られています。また、写真を美しく加工する独特のレタッチ技術は「Matt化」と呼ばれ、SNSを中心に話題となりました。
そんなMattをめぐり、衝撃的な報道が飛び出しました。「週刊文春」11月5日号が、不同意性交の疑惑を報じたのです。同誌によると、2024年から2026年にかけて、3人がMattから性的被害を受けたと訴え、警察に被害届を提出しているといいます。
今回は、そのうち最初の事案とされるAさんの証言を取り上げます。
■「すごい勢いでキスをされて……」
AさんがMattと初めて出会ったのは、今年1月13日の午前1時ごろでした。
「六本木の交差点で、突然、Mattともう一人の男性に声をかけられたんです。『飲みに行かない?』って。有名人だから、ちょっと面白いかもしれないと思ってついて行ったのが、そもそもの間違いでした」(Aさん)
Mattと一緒にいたのは、美容系インフルエンサーとして知られるXでした。
3人はタクシーで西麻布の会員制バーへ向かい、酒を飲みながら楽しい時間を過ごしたといいます。やがてカラオケが始まり、AさんはMattに勧められるまま、次々と酒を飲んだそうです。
2~3時間ほど過ごして会計を済ませたところ、Mattから思いがけない提案がありました。
「突然、『家行っていい?』と言われたんです。その時点でかなり酔っていて、しんどかったのですが、自宅でもう少し楽しく飲むくらいならいいかと思い、『いいですよ』と答えてしまいました」(同前)
その後、MattとXはAさんの自宅を訪れ、キッチン付近で缶チューハイなどを飲み続けました。
小一時間ほど経過したころ、MattがAさんにこう声をかけたといいます。
「ベッド行きましょ」
Aさんは当時の状況を振り返ります。
「戸惑いました。本当は嫌だったのですが、Mattは体格も大きく、Xもいたので、2人対1人という状況に威圧感がありました。しかも、お父さんは有名な桑田真澄さんです。機嫌を損ねたらどうなるのだろうと、酔った頭でいろいろ考えているうちに、流れで寝室へ行くことになってしまいました。すると突然、すごい勢いでキスをされて……」
Aさんの説明によると、その後、Mattに服を脱がされ、全身を舐められたといいます。
さらに、Aさんが衝撃を受けたのは、2人の様子をXが携帯電話で撮影していたことでした。いつの間にか、性的な行為の様子が記録されていたというのです。
その後、Mattの行為はさらにエスカレートしたとAさんは訴えています。
「朦朧とする中、何度も断ったのですが、Mattは私の体に性器を挿入してきました。行為の最中も、『本当に痛いんで、マジでやめてください』と頼んだのに、やめてくれませんでした。それでも耐えながら懇願し続けると、最後はようやく諦めたようで、性器を抜いた後、そのまま眠りに落ちました」(同前)
翌朝、Xはすでに姿を消しており、Mattもタクシーで帰っていったといいます。
Aさんにとっては、到底楽しいとはいえない一夜でした。しかし、動画の存在もあってMattを刺激したくなかったため、午前8時半ごろ、LINEで形式的なお礼を送ったそうです。
《マットさん! めっちゃ楽しかったです!!》
被害を訴えているAさんが、なぜこのようなメッセージを送ったのでしょうか。
警察に被害届を提出したのは、事件から約7カ月後のことでした。時間が経過してから届け出るに至った背景について、Aさんは次のように説明しています。
「正直、体の中に出されていないし、体液などの証拠も足りないのではないかと思ったんです。それに、こんな話を警察が取り合ってくれるのかという不安もありました」
被害を訴えること自体に、さまざまな不安やためらいがあったようです。
■複数の被害届があった方が立件しやすい?
Aさんが被害を受けたとする出来事から約5カ月後、知人のBさんもMattから同様の性被害を受けたと訴えていることが分かったといいます。
Aさんは、被害届を提出することになった経緯をこう語っています。
「Bさんから『複数の被害届があった方が警察も立件しやすいはず』とアドバイスを受け、被害届を提出することにしたのです」
複数の被害申告があることを知り、自身の経験についても警察に届け出ようと考えたのでしょう。
ただ、ここで気になるのは、AさんがMattに送った「めっちゃ楽しかったです!!」というLINEです。
もちろん、被害を受けたと訴える人が、直後に相手へどのようなメッセージを送ったかだけで、被害の有無を判断することはできません。相手への恐怖や人間関係への配慮などから、本心とは異なる対応を取ることも考えられます。
それでも、今回の報道を読む限り、こうしたメッセージが後になって注目される可能性は十分にあります。Aさんが当時、どのような心理状態にあり、なぜこのような文面を送ったのか。その背景も含めて考える必要がありそうです。
一方、Matt側の説明は異なります。
同誌が後日、Mattの代理人弁護士に3件の事案について質問状を送ったところ、代理人は、いずれの事案についても性的行為そのものを否定し、「そのような事実はありません」と回答したといいます。
Aさんに関しては、むしろAさん側から「近くに家があるから家で飲み直さないか」と提案されたと主張。さらに、後日、Aさんが「精神的慰謝料と逸失利益を合わせると、数百万円では足りない」と述べ、暗に1,000万円を超える金銭を要求してきたとも説明したそうです。
これに対し、Aさんは次のように語っています。
「確かに一度は示談を考えましたが、慰謝料を請求するのは、そんなにおかしいでしょうか」
被害を訴える側と、疑惑を否定する側の主張は大きく食い違っています。現時点で一方の説明だけをもって結論を出すのは難しく、双方の主張や客観的な証拠を踏まえた検証が必要です。
また、Aさんが示談を検討した経緯については、報道機関に対して早い段階で説明しておけば、後から相手側に公表された場合とは受け止められ方が異なった可能性もあります。
■Mattは「適応障害」と診断されていた
疑惑をめぐる報道が続く中、Mattは10月29日、自身のInstagramのストーリーズを更新し、「適応障害」と診断されていたことを公表しました。
投稿では、精神的に追い詰められていた当時の心境を明かしています。
《鋼のメンタルと思うくらい自身を強いと思っていたけど。この頃から既に私の心は壊れていました。精神科は人生で初めて行きました》
Mattによると、今回の件を受けて9月と10月は仕事を減らし、依頼を断ることもあったそうです。
さらに、報道機関の取材についても不満を表明しました。
《そんな時に、自宅前に車何台も待機していて高速でも追いかけ回され複数人の週刊誌記者に突撃取材。それをまた許可無しにこうして世間に晒したりと。本当に苦痛です。報道の自由とは》
自宅周辺での待機や追跡、記者からの取材などが精神的な負担になっていたと訴えています。
また、今回の一件を通じて人間関係に対する考え方も変わったようです。
《ちょっと優しすぎたのかな。関わる人を考えますね。人とすぐ仲良くなったりあまりに受け入れすぎて、その人の本質が見えてませんでした。今回それを思い知りました》
そして、最後にこうつづりました。
《なんて怖い世の中だ》
Mattは自身の精神状態や取材をめぐる苦痛を公にする一方、代理人を通じて報じられた疑惑を否定しています。
一連の問題が今後どのように展開するのか。双方の主張と事実関係が明らかになることが待たれます。
参照:「Mattから性被害を受けた」警察に複数の被害届が提出されていた《桑田真澄氏の次男》
「私の心は壊れていました」Matt “適応障害”を公表…性加害疑惑をめぐる騒動の裏側
