10月にスタートした金曜ドラマ『LOST10(ロストテン)』は、北海道の雄大な自然を舞台に、人間の欲望や秘密が複雑に絡み合うオリジナル・ヒューマンサスペンスです。数々の話題作を手がけてきた実力派スタッフが集結し、謎が謎を呼ぶ物語を描きます。
制作を手がけるのは、ドラマ『最愛』『リバース』や映画『夜行観覧車』などで知られる監督・塚原あゆ子氏とプロデューサー・新井順子氏のコンビです。さらに、映画『国宝』でも注目を集めた脚本家・奥寺佐渡子氏が加わり、作品への期待を高めています。
物語を牽引するのは、横浜流星さん演じる北海道の所轄刑事・小駒と、小栗旬さん演じるフリーの保険調査員・直です。強い正義感と出世欲を持つ小駒に対し、直は独自の視点で事件を追います。立場も目的も異なる2人は、ときに手を組み、ときに激しく対立しながら、事件に隠された真実へと迫っていきます。
互いに譲らない2人のやり取りは、緊張感の中にも面白さがあり、本作の見どころのひとつです。異なる世代を代表する実力派俳優が、どのような演技のぶつかり合いを見せるのかにも注目です。
物語の発端となるのは、北海道にある「然ヶ岳(しからだけ)」で発生した登山ツアーの遭難事故です。作中では、険しい山々や広大な自然がダイナミックかつ美しく映し出され、物語に独特の臨場感を与えています。
● 何らかの秘密や疑わしい背景を抱えて
当初は不運な遭難事故と思われていました。しかし、第1話の終盤、ツアー参加者全員に山岳保険がかけられていたことが判明します。さらに、高額な保険金の受取人が、小駒にとって最も信じがたい人物だったことも明らかになります。
単なる事故として片づけられるはずだった出来事は、一転して保険金殺人の疑惑へと姿を変えます。誰が何のために保険をかけたのか。そして、山中で何が起きたのか。衝撃的な事実を突きつける幕開けによって、視聴者は一気に謎めいた世界へと引き込まれます。
本作は登場人物が多く、それぞれの関係性や背景を把握するには少し注意が必要です。タイトルにも関わる事件の中心人物として、横浜流星さん、小栗旬さん、中村アンさん、飯豊まりえさん、井口理さん、岩谷健司さん、松下洸平さん、市川実日子さん、野呂佳代さん、斉藤由貴さんの10人が出演しています。登場人物たちはそれぞれ何らかの秘密や疑わしい背景を抱えており、誰を信じるべきなのか簡単には判断できません。
遭難した登山ツアーの一行は、ガイド1人と参加者5人の計6人です。第1話の時点で明らかになっている安否状況を整理すると、参加者の二階堂照之が遺体で発見され、死亡が確認されています。さらに、遺体から睡眠薬が検出されたことで、事故ではなく事件である可能性が浮上します。
一方、中学校教諭の亜矢と、意識不明の状態で発見されたガイドの田畠元香は救出されました。死亡者が1人、救出された負傷者が2人という状況で、残る3人は行方不明のままです。山中に取り残された人々の安否とともに、事故の裏に潜む真相も気になるところです。
● 目撃者が限られる山中という舞台
なぜ本作は、物語の舞台に山を選んだのでしょうか。監督の塚原あゆ子氏は、「遭難」を重要な要素として設定した理由について、次のように語っています。
「『事が始まるのは山の中」というのは、“真相は藪の中”的な、誰もわからない、目撃者が少ないみたいなことで。昨今は防犯カメラだらけの世の中なので、『事故や事件が起きた時に誰かの証言に頼らざるを得ない』という状況設定を作ろうとすると結構難しかったので、思い切って山にしようってことだったように思います。」
防犯カメラが普及し、事件の手がかりを映像から探れる現代だからこそ、目撃者が限られる山中という舞台が重要な意味を持ちます。限られた証言と断片的な情報を頼りに真相を追う展開は、登場人物の言葉や行動に隠された意図を考えながら見る楽しさにもつながっています。
第1話では、遭難事故の背後に潜む不審な保険契約や、登場人物たちの秘密を予感させる事実が次々と明らかになりました。しかし、行方不明者が残されているうえ、事件の全貌はいまだ見えていません。
山中で何が起きたのか。保険金をめぐる疑惑の先に、どのような真実が待っているのでしょうか。小駒と直の対立や協力関係にも注目しながら、第2話以降で明かされる新たな展開を見届けたい作品です。
参照:<LOST10>脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子が語る信頼と本作への思い
