「まめとむぎ」 2026年製作 日本

風邪気味で頭はガンガンするし、お腹の調子も悪い。ぼーっとして何もする気が起きない。そんなときに何気なく見始めたのが、ドラマ『まめとむぎ』です。

登場人物が少なく、ストーリーもわかりやすいため、ぼんやり眺めていても楽しめました。変なたとえかもしれませんが、風邪気味の日に見るにはちょうどいいドラマです。

『まめとむぎ』は、仕事も恋も失った元編集者と、集客に悩む居酒屋の店主が、発酵食品を通じて人生を立て直していくヒューマンドラマです。原作は谷口菜津子さんの漫画『じゃあ、あんたが作ってみろよ』。正反対の2人がぶつかり合いながらも、手を取り合って再起を目指す姿が描かれています。

10月2日から放送が始まり、TVer(ティーバー)で配信されている2話分を視聴しました。

物語の中心となるのは、居酒屋「大豆堂(だいずどう)」の経営に関わる2人の若い女性です。

1人は、齋藤飛鳥さん演じる清水麦。社内不倫が発覚し、キャリアも夢も恋も失ってどん底に落ちた、30歳の元ファッション誌編集者です。

もう1人は、富田望生(とみた みう)さん演じる米田まめ。祖父母から受け継いだ居酒屋を1人で切り盛りする、発酵食品をこよなく愛する23歳の店主です。

まめは、ふくよかな体型にメイド喫茶を思わせるような服装で、やたらと元気で明るいキャラクターです。そんな彼女の個性に合わせて、物語の序盤では店内も独特な雰囲気に仕上がっています。かわいらしいぬいぐるみやこけしなどの民芸品が所狭しと飾られ、なかなかのインパクトです。少々ごちゃごちゃしているものの、個性的で面白く、見ているだけでも楽しめました。

ところが、麦はお客さんの滞在時間が短い原因を、店内が落ち着かないことにあると考えます。そして、あれほどにぎやかだった店内をシンプルな雰囲気に変えてしまうのです。

確かに、落ち着いて食事を楽しめる空間も大切なのでしょう。しかし、個人的には以前のコテコテした店内のほうが好みでした。あの独特な雰囲気がなくなってしまったのは、ちょっと残念です。せっかく個性的だったお店が、普通の居酒屋になってしまったように感じました。

このドラマのもうひとつの見どころは、お腹も心も満たしてくれる発酵料理の数々です。まめがこだわりを持って作るメニューはもちろん、2人が衝突しながらも新しい料理を生み出していく過程も楽しめます。画面越しに料理を眺めているだけなのに、思わずお腹が空いてきます。空腹のときに見れば、料理のおいしそうな演出をより一層楽しめるかもしれません。

さらに気になるのが、まめの幼なじみで、近くにある喫茶店「金魚鉢」の店主・椎名種(しいな たね)です。演じるのは濱尾ノリタカさん。自ら「ぼくはめんどくさい男でしょう?」と問いかける、ひと癖ありそうなキャラクターです。

そんな種と麦が今後どのような関係になっていくのかも、気になるところです。また、麦とまめがどのように店を立て直していくのか、引き続き楽しみにしたいと思います。