メジルシ髙倉さんは、元お笑い芸人でDJとしても活動し、現在は横浜でバーを経営しています。一方で、過激な身体改造を続ける人物としても知られています。

白目を黒く染め、耳を尖らせ、頭や頬にシリコンを埋め込み、舌を二つに割る。さらに、両手の指を1本ずつ切除するなど、さまざまな身体改造を行っています。現在は「身体改造のアジア代表」として、南米を中心に活動しています。

● 指を切除し、白目を黒く染める
数ある身体改造の中でも、特に驚かされるのが「両手から1本ずつ指を切除した」という行為です。

実際にメジルシ髙倉さんの両手を見ると、左手の薬指と右手の小指がありません。どちらも自らの意思で切除したといいます。

「左の薬指を取ったら、残った指と指の間がずっと引っ張られるような感覚が消えなかったんです。それなら、端にある小指を取ったらどうなるのか、と。試しにですね」

指を失ったことで、日常生活にも不便が生じています。

「いちばん大変だったのは、ない指がかゆいことです。かゆいのに、かこうにも、その指がそこにない」

バーでお釣りを受け取れば、指のない隙間から小銭を落としてしまう。化粧水を手に出せば、そのまま流れ落ちてしまう。こうした不便も、自ら望んで身体を変えた結果です。

その話を聞くと、まるで自分自身に拷問を課しているようにも感じられます。なぜそこまでして身体を変えるのか。ぼくには簡単には理解できない行為です。

もう一つ驚かされるのが、白目を黒く染めていることです。白目に色を入れられるということ自体、ぼくは初めて知りました。そこで気になるのが、視力への影響です。白目を黒くすることで、失明につながる危険はないのでしょうか。

メジルシ髙倉さんによると、白目を覆っている結膜の下に青や紫など複数の色素を重ねて入れることで、白目全体を黒く見せているそうです。施術を担当したのは、ガトー・モレノという著名な身体改造アーティストです。

ガトー・モレノはメキシコを拠点に活動していた身体改造アーティストで、皮下インプラントや舌の分割などを手がけ、世界各地のタトゥーコンベンションにも参加していました。2025年4月に亡くなっています。

医学を熱心に学び、それを高度な身体改造技術や安全性の向上につなげた人物で、国内外の著名なパフォーマーやアーティストにも影響を与えたとされています。

● 不便さそのものを楽しむ
メジルシ髙倉さんが身体改造に興味を持つようになったきっかけは、19歳のころでした。

当時はパンクバンドが好きで、肘にクモの巣のタトゥーを入れました。ただ、この時点では自分の身体そのものを変えようとは考えていなかったそうです。

転機となったのは20代後半です。手の甲にシリコンを入れたことをきっかけに、興味の対象がタトゥーから「身体改造」というカルチャーそのものへと広がっていきました。

その後、白目を黒く見せる「アイボールタトゥー」、耳を尖らせる「イヤーポインティング」、舌を二つに割る「スプリットタン」など、さまざまな身体改造を経験しています。

頭や頬骨、腕にはシリコンを埋め込み、乳首やへそも切除しました。

本人は、こうした身体改造について後悔していないといいます。それどころか、自分の身体を「作品」と捉え、現在も改造を続けています。

なぜ、そこまでして身体を変えるのでしょうか。

「むしろ今の僕は、『便利』ではなく『不便』に向かっています。その不便さ自体を楽しんでいるんです」

本人はそう語っています。

この言葉を聞いても、ぼくはどうしても親の目線で考えてしまいます。ぼくには息子がいるからです。

もし自分の子どもが同じような身体改造をして、目の前に現れたらどう感じるだろうか。おそらく、かなりのショックを受けると思います。言葉を失い、しばらく気持ちを立て直せないかもしれません。妻なら、寝込んでしまうかもしれません。

自分の身体を一つの作品として捉え、改造することで、生きたアート作品になったような感覚を得られるのかもしれません。

ただ、身体改造には感染症や神経障害、視力障害など、重大な健康被害につながるおそれもあります。

● 医療トラブルや健康被害
実際、世界では身体改造に関連した深刻なトラブルも報告されています。

◇ 3週間の完全失明を経験した女性(オーストラリア)

「ドラゴンガール」の名前で知られるアンバー・ルークさんは、白目を青く染める施術を受けた際、アーティストがインクを深く注入しすぎたことが原因で、3週間にわたって完全に失明する状態になりました。

その後、視力は回復しましたが、当時の痛みについて「最も残酷な拷問のようだった」と語っています。

◇ 片目の視力をほぼ失ったモデル(カナダ)

女性モデルのキャット・ガリンガーさんは、紫色の眼球タトゥーを受けた直後から目に激痛が走り、紫色の涙が流れ出るトラブルに見舞われました。

不適切なインクの使用や、針を刺しすぎたことによる感染症(眼内炎)と炎症が原因で、片目の視力の大部分を永久に失う結果となりました。

◇ 違法な皮下インプラントによる感染と逮捕(オーストラリア)

医師免許を持たないモディファイヤーが、女性の手にシリコン製のインプラントを埋め込んだところ、数日後に激しい細菌感染を起こしました。

女性の手は大きく腫れ上がり、組織が壊死しかけるほどの重症となりました。この事件では、施術者が傷害罪などで逮捕され、実刑判決を受けています。

こうした事例を見ると、身体改造には重大なリスクが伴うことも認識しておく必要があるように思います。

もちろん、自分の身体をどのように表現するかは本人の自由です。しかし、作品として自分の身体を変えたいのであれば、身体そのものを傷つける方法以外にも、表現する手段はあるのではないでしょうか。

参照:〈身体改造男〉「ない指がかゆい」指2本切除、白目は黒く…全身を“作品”に変えた男
   眼球タトゥーの危険性