ケーキ店から出火し、店内や駐車場から合わせて3人の死亡が確認された事件です。店の営業終了後、店主の同窓生ら11人が集まっていたとみられています。その中で何が起き、なぜ事件に発展したのでしょうか。複数の死者が出た今回の事件は、現時点で明らかになっていない点も多く、さまざまな疑問を残しています。
 

● ガソリンをまかれて火事になっている
事件が起きたのは、岐阜県本巣市にあるケーキ店「さんらいず」です。

9月5日(土)午後9時ごろ、「人が刺された」「ガソリンをまかれて火事になっている」との110番通報が寄せられました。

火は通報からおよそ3時間後に消し止められましたが、焼けた建物の中から、身元が確認されていない男女2人の遺体が見つかりました。

この建物は、66歳の女性・曽野さとみさんが経営するケーキ店と住居が一体になった構造でした。

店を知る人は、曽野さんについて「ケーキが専門で、いろいろなケーキを一生懸命作っていました。お店は人気がありました」と話しています。

その後の司法解剖で、男性は腹部を刃物で刺されたことによる失血死だったことが判明しました。傷は大動脈を貫通するほど深いものだったということです。一方、女性は急性一酸化炭素中毒で死亡したことが分かりました。

さらに、焼け跡からは複数の刃物が発見されています。

また、店の駐車場に止められていた車の中から、岐阜県瑞穂市の会社役員・林寛至(ひろし)さん(70)が、ほぼ服を着ていない状態で発見されました。

曽野さん、林さん、そして同市に住む65歳の男性の3人がけがをして病院に搬送されました。その後、林さんの死亡が確認され、今回の事件では合わせて3人の死亡が確認されています。

 

● 今回の集まりを楽しみにしている様子
では、事件当時、店では何が行われていたのでしょうか。

店の従業員の男性によると、5日は午後7時に店を閉めた後、曽野さんの中学校時代の同窓生らが集まり、会合を開いていたということです。岐阜県警によると、曽野さんを含め、現場には11人が集まっていたとみられています。

従業員の男性は当日の会合の様子を直接見てはいませんでしたが、「いつもは男女半々くらいで、みんな楽しそうにしていました」と話しています。

同窓生らの会合は不定期に年2、3回ほど開かれていたといいます。曽野さんに「久しぶりの会合ですね」と声をかけたところ、「そうなんよ」と答え、今回の集まりを楽しみにしている様子だったということです。

会合では、店の2階東側にある居住スペースが使われていたとみられています。

事件翌日の6日、従業員の男性は警察から現場検証への協力を求められ、建物の中に入りました。室内は激しく焼け、焦げた状態になっていたといいます。

男性は、曽野さんについて「経営者が何かに悩んだり、困ったりしている様子を見たことはありませんでした。事件につながるようなトラブルにも心当たりはありません」と話しています。
 

● 恋人かな。息子さんや娘さんも公認
一方、今回の事件を考える上で、もう一つ気になる点があります。

死亡した林さんは、当日の集まりに招待されていなかったとみられているのです。

では、なぜ林さんは現場にいたのでしょうか。そして、店主の曽野さんとはどのような関係だったのでしょうか。

「イット!」の取材に対し、曽野さんと林さんの双方を知る人物は、2人の関係について「恋人かな。普通に付き合っていて、息子さんや娘さんも公認していた」と話しています。

また、林さんについては「普通にいい人でした。私たちに対して何かするようなこともなく、気分がいいと『お釣りはいらない』と言って置いていくような、非常に気前のいい人でした」と話しました。

林さんは自治会長を務めていたといい、「面倒見のいい人だった」とも語っています。

報道されている情報だけを見ると、林さんが招待されていなかったとされる集まりに、なぜ現場にいたのかという疑問が残ります。また、林さんと曽野さんの関係が事件にどのように関係していたのかについても、現時点では明らかになっていません。

刺された男性が、曽野さんと林さんの関係をめぐって何らかのトラブルに巻き込まれた可能性を考えることもできます。しかし、これはあくまで現時点での情報から考えられる一つの可能性にすぎず、事件の動機や具体的な経緯が判明したわけではありません。

なぜ刃物による殺傷が起き、その後に火災が発生したのか。そして、招待されていなかったとされる林さんが、なぜ現場にいたのか。

事件当時、店内で何が起きていたのかについては、今後の警察の捜査によって徐々に明らかになっていくことになりそうです。

参照:「同級生の会合でガソリンまかれた」ケーキ店で火災5人死傷 死亡男性は店主と交際か