イランの国営放送が、トランプ大統領の三男バロン氏の殺害を示唆する映像を放送しました。約3分間の映像には「バロン・トランプをどこで殺害するか」というタイトルが付けられ、バロン氏が頻繁に訪れる場所などが紹介されています。さらに、1000万ドルの懸賞金にも言及しており、暗殺をほのめかす内容になっていました。

● バロン氏は2044年の大統領選候補か
このニュースで注目を集めたのが、トランプ氏の三男バロン氏です。テレビ画面に映る姿を見ると、整った顔立ちが目を引きます。身長は2メートルを超えるともいわれています。

アメリカメディア関係者は、バロン氏について次のように説明します。

「父親が強烈な個性を持つ政治家である一方、バロン氏は穏やかな性格で、政治にも関心を持っているとされています。そのため、共和党支持者の間では、早くも2044年の大統領選挙候補として名前が挙がっています」

3月の日米首脳会談では、高市首相もバロン氏について言及しました。「立派でイケメンに成長されていると伺っております。間違いなく、ご両親に似たんだと思います」と語っており、その容姿についての評価にも納得させられる発言でした。

この発言をめぐっては、脚本家の三谷幸喜氏が「あれブラックジョークなんですか?」と疑問を呈しました。さらに、「笑わせるんだったら、むしろ『お父さんに似なくてよかったですね』と言ったほうが」と冗談を交えて提案しています。

これに対して共演者の菊間千乃氏は「それは結構、賭けですよね」と応じました。このやり取りは、3月21日放送の「情報7days ニュースキャスター」で紹介されたものです。

● 「最高指導者」を失ったイランの復讐
では、なぜイランはバロン氏の暗殺を示唆する映像を放送したのでしょうか。イランは本当に暗殺を計画しているのか、それともトランプ大統領への心理的な揺さぶりを狙ったものなのでしょうか。

アメリカメディア関係者は、映像の具体性に注目しています。

「イランのテロリストがバロン氏を実際に尾行し、行動経路を把握しているかのような内容だけに、妙なリアリティーがあります。映像の最後には、バロン氏に対して日本円で約16億円に相当する懸賞金をかけたと告知しています。

ただ、本当に暗殺を実行するつもりなら、わざわざ事前に公表する必要はありません。今回の映像は、トランプ大統領がバロン氏を特に大切にしていることを踏まえ、息子への脅迫を通じて大統領本人に精神的な圧力をかける狙いがあるとみられます」

一方で、単なる脅しとして片付けるべきではないという見方もあります。

イラン政府や強硬派メディアによるトランプ大統領とバロン氏への暗殺示唆について、米安全保障当局や専門家は、単なるハッタリやプロパガンダではなく、実際の攻撃につながる可能性がある脅威として警戒しています。

2026年2月には、トランプ大統領の指示によって当時の最高指導者アリー・ハメネイ師と、その家族の多数が空爆で殺害されたとされています。

イランにとって最高指導者の殺害は、国家の尊厳を踏みにじる重大な出来事です。後継者となったモジタバ・ハメネイ師は「血の復讐」を国家の公式方針として誓ったとされます。そのため、トランプファミリーへの報復は、イラン側にとって簡単には引き下がれない問題になっているとみられています。

● 脅迫映像に含まれた異様な具体性
今回、イラン国営テレビが放映した約3分間の脅迫映像は、トランプタワーなどを映すだけの一般的な威嚇とは異なります。

20歳になったばかりのバロン氏が通う大学の寮や行動先に加え、個人のオンラインゲームのアカウントや交友関係にまで触れているとされています。

こうした情報が含まれていることから、イランが高度なサイバー諜報活動を利用し、トランプファミリーの動向を継続的に把握している可能性を指摘する声もあります。

また、映像で示された1000万ドルの懸賞金については、イランが正規軍をアメリカに送り込むことを意味するものではなく、第三者によるテロや暗殺を誘発する狙いがあるとみられています。

米国内の過激主義者や暗殺を企てる人物、あるいは経済的に困窮した第三者に対し、「バロン氏を殺害すれば巨額の報酬を得られる」と呼びかける形です。シークレットサービスにとっては、こうした情報を受けた人物が報酬目的で実際の犯行に及ぶ可能性が大きな懸念となります。

イランは2020年にソレイマニ司令官が殺害された際にも、トランプ氏への報復を誓いました。その後も、トランプ氏の警護体制の隙を突く計画が長年続いてきたとされています。

そのため、イラン側の本気度を非常に高いとみる向きもあります。機会があれば、いつでも実行に移す可能性があるという見方です。

もっとも、イランが米軍と正面から戦えば、軍事力で対抗するのは容易ではありません。そのため、シークレットサービスの警護の隙を突いたテロや暗殺によって、トランプファミリーを狙う可能性が指摘されています。

● 「ミサイル1000発」で報復か
では、トランプ大統領は今回のバロン氏への暗殺示唆をどのように受け止めているのでしょうか。

トランプ大統領は、脅迫映像によって姿勢を変えるどころか、イランへの対決姿勢をさらに強める方針を取っているとされています。

脅迫映像が放映される前から、トランプ政権はイランのデジタル資産や金、原油などを対象とする新たな制裁を発表していました。映像による威嚇を受けた後も、イランへの経済制裁をさらに強化する姿勢を崩していません。

トランプ氏は以前から、イランが自身や家族の暗殺を実行した場合には、「イランを壊滅・焦土化させる」と警告しています。ミサイル1000発による報復にも言及しており、今回の脅迫を受けても基本的な対イラン姿勢は変わっていないとみられます。

トランプ氏とメラニア夫人はこれまでも、三男のバロン氏を公の場からできるだけ遠ざけ、私生活を守ることを徹底してきました。

しかし今回は、自宅のトランプタワーだけでなく、バロン氏が通う大学やオンラインゲームのアカウントにまで言及されています。そのため、トランプ氏の指示のもと、シークレットサービスが最高レベルの警戒態勢を取り、情報の確認や安全確保を進めているとされています。
 

参照:トランプ大統領の三男バロン氏「どこで殺すか」 イラン国営テレビが動画を放送
   イランが「トランプの息子暗殺計画」映像を放送!尾行して行動を把握……ターゲットは別