
「恋は飴模様」 2026年製作 韓国 原題:이런 엿 같은 사랑/Our Sticky Love
Netflixで配信中の韓国ドラマ『恋は飴模様』を第4話まで見ました。本作は、記憶を失った女性検事コ・ウンセと、彼女を守るために「彼氏」を演じる元裏社会のボクシングコーチが繰り広げる同居ロマンスです。
まず、邦題の付け方がうまいと思いました。「恋は雨模様」なら、いかにもありそうなタイトルで、それほど記憶に残らなかったかもしれません。ところが「雨」を「飴」に変えて「恋は飴模様」とすることで、「おや? 何だろう」と興味を引かれます。思わず見てみたくなる、秀逸なタイトルだと思います。
記憶を失ったエリート検事と、「彼氏だ」と名乗るボクシングコーチ――。設定だけを見ると、甘いラブコメを連想しますが、実際にはさまざまなジャンルが絶妙に融合した作品です。
「この先、何か起きるのでは?」というハラハラ感と、田舎町の人々との心温まるヒューマンドラマが交互に描かれるため、飽きさせないストーリー展開になっています。
ただ、主演の演技力には少し疑問が残ります。
記憶を失ったウンセを助けるため、嘘の彼氏としてチャン・テハを演じるチョン・ヘイン。テハは元ボクサーで、裏社会にいた過去を持つという設定ですが、正直なところ、元ボクサーにも、裏社会を経験した人物にも見えません。
ふとした瞬間に過去を感じさせる片鱗を見せてこそ、人物にもドラマにも奥行きが出てくると思うのですが、今のところは、どう見ても育ちのいいお坊ちゃんにしか見えないのが残念なところです。
とはいえ、いろいろとツッコミどころが満載なのも、このドラマの面白さの一つです。
特に面白いのが、ブランド品で身を飾るのが好きだったウンセが、記憶を失い、気づけば田舎の飴屋で働いていたという展開です。都会で華やかな生活を送っていた女性が、突然、田舎の生活に放り込まれる。そのギャップが実に面白く、物語の随所にユーモアがうまく散りばめられています。
第4話では、テハが暮らす村で祖母の誕生日パーティーが開かれます。テハと同居しているウンセは、用事で参加できないテハの代わりに村を訪れ、預かっていた物を祖母に渡します。
祖母から「ご飯を食べていきな」と誘われますが、ウンセは断って、その場を離れようとします。
すると、村のおばちゃんが「孫嫁が今頃現れたのもおかしな話なのに、顔だけ出して帰る気?」と文句を言います。
「嫁じゃないです」
ウンセはきっぱり否定します。
「それでは」と帰ろうとするウンセに、祖母が「いいから食べなさい」とお菓子を渡します。ところが、その瞬間、ウンセはお菓子を手で払いのけてしまいます。お菓子は地面に落ちます。
「なんて無礼なことを。思いやりも分からないの? おなかがすいていないか心配しているのに」
村人たちは怒ります。するとウンセは、その言葉に反発します。
「おなかがすいたとは言ってませんよ。田舎の人には思いやりでも、受け取る側によっては違います。無理やり食べさせるのは拷問です」
「拷問だと? ねえ、親がいないの? 礼儀を教わらなかった?」
「はい。いないそうです。施設育ちです」
それを聞いて、村人たちは次の言葉を飲み込んでしまいます。しかし、ウンセはさらに言葉を続けます。
「でも、関係ないわね。親のいるおばさんも無礼だもの。私はここの皆さんより教養のレベルが高いので、耐えてあげます」
「レベルの高い方が、なぜ田舎にいるの?」
「出ていきます。こんな低レベルな村に一日たりともいたくない」
そう言い残して、ウンセは村を出ていきます。
ところが、結局はテハのいる村に戻ることになります。そして後に、彼女はテハの祖母に謝ります。
そのとき、祖母がウンセを諭す言葉がとてもいいのです。単に叱るのではなく、ウンセの心に静かに語りかけるような言葉で、思わず胸に沁みました。
この場面には、このドラマが単なるラブコメではないことを感じさせる温かさがあります。
祖母がウンセに何を語ったのか――。
それは、ぜひ実際のドラマを見て確かめてほしいと思います。