8月23日放送の『サンデー・ジャポン』で、“攻撃型ドローン”をめぐる議論が繰り広げられ、タレントの鈴木紗理奈(49)の発言が波紋を広げています。
発端となったのは、8月17日に報じられた、楽天グループとドイツの防衛企業「ヘルシング」の連携です。ヘルシングは、AIを搭載したドローンの開発・製造を手掛ける企業で、楽天が日本国内での販売窓口となり、防衛省への迎撃・攻撃用ドローンの導入を支援する方針だと報じられました。
『サンデー・ジャポン』にゲスト出演した鈴木は、「自衛権はこの国は憲法9条で認められていますよね」と前置きしたうえで、「自衛のために使うんだといっても戦争の加担になるんですか?」と疑問を呈しました。
さらに、軍事技術をもとに生まれた技術や製品によって豊かな暮らしの恩恵を受けているにもかかわらず、軍事目的の製品開発だからという理由だけで反対するのであれば、「山で暮らすべき」などと持論を展開しました。
楽天グループがヘルシングと連携し、防衛省へのAI搭載ドローンの納入を後押しする方針を認めたことを受け、SNSでは楽天グループに対する不買を表明する動きが広がっています。また、一部の出店企業が楽天市場からの撤退を表明するなど、波紋が広がっています。
こうした状況を踏まえると、鈴木は今回の連携を「戦争に加担する行為」として批判する意見に対し、疑問を呈したものとみられます。
鈴木の発言をめぐっては、賛否が大きく分かれています。
《鈴木紗理奈の言っていることは至極まともだよ。》
《発送が飛びすぎ 鈴木紗理奈さんを強く支持》
など、発言に賛同する声が寄せられています。
一方で、否定的な意見も少なくありません。
《「人殺しの武器開発に賛同する人だけが豊かな生活が許される」ってことか こういうテレビ見てこどもたちはどういう大人になるのかな?》
《意見が違う人を「山」に追いやる社会って・・・・・・結構怖いこと言ってる》
《浅い、あまりにも、浅すぎる。政府に反対するなら、道を歩くな。ってやつと同じすぎる》
といった批判が相次いでいます。
ただ、個人的には、今回の件だけを理由に楽天グループを「武器購入に加担する企業」とみなすことには疑問があります。
日本には、自衛隊が使用する防衛装備品を開発・製造し、防衛省に納入している企業が数多く存在します。航空機や艦船、戦車、ミサイル、通信システムなど、さまざまな分野で防衛関連事業に携わっている企業があり、三菱重工業、川崎重工業、SUBARU、IHIなどがその代表例です。
また、テクノロジーや情報通信の分野でも、三菱電機、NEC(日本電気)、富士通などが防衛関連の事業を手掛けています。
こうした企業の存在を考えれば、楽天グループだけを取り上げて批判することが、果たして公平なのかという視点も必要ではないでしょうか。
さらに、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、個人やグループを通じて人道支援を目的とした大規模な寄付も行っています。
2022年2月には、「暴力の犠牲者を助ける人道活動のため」として、ウクライナに10億円を寄付しました。2023年には、「一日も早く平和が訪れることを祈る」として、ガザの人道支援に5億円を寄付しています。
もちろん、防衛関連事業への参入と人道支援への寄付は、単純に同じものとして論じられるものではありません。しかし、楽天グループを「戦争の武器で利益を得ようとする企業」という一面的なイメージだけで捉えるのではなく、これまで行ってきた平和や人道支援につながる活動も含めて考える必要があるのではないでしょうか。
今回の議論を考えるうえでは、ドローンの軍事利用に賛成か反対かという二択だけではなく、防衛産業と民間企業の関係、軍事技術が私たちの生活にもたらしてきた恩恵、そして企業が担う社会的な役割まで含めて、幅広い視点から考えることが重要だと思います。
参照:「想像力の欠如」「あまりにも浅すぎる」鈴木紗理奈 “攻撃型ドローン”への私見が波紋
