
Netflixのリアリティシリーズ『ラヴ上等』シーズン2をめぐり、男性出演者が第5話で明かした過去の行為が波紋を広げています。
● 被害者については語られなかった
第5話では、出演者11人が教室に集まり、それぞれ机に着席します。そこへ校内放送が流れ、次のように語りかけられます。
「道徳の時間です。転校生の二人は過去の家庭環境や誰に謝りたいのか。自分が犯した過ちをメンバーたちと共有してください」
この流れを受け、ホストクラブ経営者の“かずくん”が自身の過去について語ります。
「人に火をつけた。そのまま3日後ぐらいに捕まった」
さらに「後悔している」とも明かしましたが、この発言がSNS上で拡散され、批判が相次ぐ事態となりました。
自らの過去の過ちを告白することで、視聴者の注目を集める。それ自体が、出演者にとって「自分の人生における一つのエピソード」として扱われているようにも映ります。
しかし、ここで気になるのは、実際に火をつけられ、やけどを負ったとみられる被害者について、ほとんど触れられていない点です。
出演者にとっては過去の「人生の汚点」であっても、被害を受けた側にとっては、決して過去の一場面として片付けられるものではありません。
しかも、一般的にはマイナスの出来事として受け止められるはずの過去が、番組を通じて広く知られ、話題になる。その結果、出演者だけでなく、番組制作に携わる人々や、配信元であるNetflixにも利益が生まれる構造になっています。
● 「温かく見守っていただけたら嬉しい」
『ラヴ上等』は、人気シリーズです。不良と呼ばれる人物たちを集め、恋愛リアリティショーという形で描く内容には、不良を集めてリング上で戦わせる『BreakingDown』にも通じるものを感じます。
シーズン1は2025年12月から配信され、「人生の縮図のようでおもしろい」といった評価を受けました。さらに、韓国・釜山で開催された「グローバルOTTアワード2026」では、最優秀リアリティ&バラエティ賞を受賞しています。
企画・プロデュースを担当しているのは、タレントのMEGUMIです。一方、壮絶な過去を持つ出演者たちを番組に登場させることについては、SNS上で疑問や批判の声も上がっていました。
こうした状況を受け、13日にはMEGUMIが自身のストーリーズを更新。出演者に対する誹謗中傷が出ていることに触れ、視聴者に理解を求めました。
《彼らは、過去も今もすべてをさらけ出し、覚悟を持ってこの番組に参加してくれました。そんな彼らに対して、傷つけるような言葉を投げかけることは、どうかおやめください。
出演者一人ひとりを尊重し、温かく見守っていただけたら嬉しいです。引き続き『ラヴ上等』を楽しんでいただけましたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。》
出演者への誹謗中傷をやめるよう呼びかけた形です。
● ヒカル「どんだけ覚悟ないねん」
この対応について、厳しい見方を示したのが人気YouTuberのヒカルです。
ヒカルは番組について、「炎上目的で作られた番組じゃないですか。炎上しておいしい時は『ラッキー』と思って。炎上して都合が悪くなった瞬間に『やめてください』って話にならない。どんだけ覚悟ないねん」と指摘。制作側の姿勢に疑問を呈しました。
さらに、
「もしかたらMEGUMIさんも板挟みでNetflixの偉い人たちから『対応してくれ』と言われたのかもしれない。番組に出てる人たちへの愛とか感情移入して言ったのかもしれないけど、言い方がちょっと、と思います。こういう番組やって、それやっちゃダメでしょ?とは思います」
と、MEGUMIの発信にも言及しています。

出演者による過激な発言がSNSで拡散したことに加え、もう一つ違和感を覚えるのが、法務省保護局とのコラボレーションです。
番組出演者の迫力ある写真に、「更生上等!!」「立ち直りって、ラヴだ」という言葉を添えたポスターが発表されると、SNS上では抵抗感を示す声が相次ぎました。
被害者への配慮が足りないのではないか、犯罪を美談として扱うことにつながるのではないか、といった批判も出ています。
いずれにしても、過去の不良行為や犯罪行為をエンターテインメントとして扱う場合、どこまでを表現として許容するのか、どこに線を引くのかは慎重に考える必要があります。
視聴数や話題性を優先するあまり、刺激の強い表現が際限なくエスカレートしていけば、その先に何が待っているのか。不良行為を「コンテンツ」として消費することへの違和感は、今回の騒動をきっかけに、改めて考える必要がありそうです。
参照:MEGUMIが『ラヴ上等』出演者への誹謗中傷に「おやめください」声明発表も集まる疑問
物議醸す「ラヴ上等」MEGUMIの声明にヒカル「この人バカなんかなと思っちゃいました」