日本のテニス界で輝かしい実績を残した元世界ランキング女王の逮捕が、大きな衝撃を広げています。高知県警は7月22日、ロマンス詐欺に関与し現金をだまし取った疑いで、元女子プロテニス選手で会社員の平木理化容疑者(54)を逮捕しました。
● 針の穴を通すような正確なストローク
この事件について、タレントの杉村太蔵さんが7月26日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」でコメントしました。
1997年の国体テニス少年男子ダブルスで優勝経験を持つ杉村さんは、爆笑問題の田中裕二さんから「憧れの選手だった?」と問われると、平木容疑者の現役時代を振り返りました。
「憧れというより、97年の全仏オープンの頃、僕は高校3年生で国体にも出場していました。平木さんは小柄な選手でしたが、針の穴を通すような正確なストロークで世界の頂点に立ったんです」
さらに、番組で流れたVTRに触れながら、「本当にキチッとしたちゃんとした方っていう印象だったんで、全テニス選手が絶句されたんじゃないですかね。本人否定されてますけどね、どうなるか…」と複雑な表情で語りました。
平木容疑者は航空会社勤務だった父親の仕事の関係でレバノンに生まれ、6歳からテニスを始めました。現役時代の獲得賞金は総額1億円を超えるとみられています。引退後は2014年から日本テニス協会の常務理事を務めたほか、NTTコミュニケーションズ(現NTTドコモビジネス)で課長職を務めるなど、競技生活後も順調なキャリアを歩んでいました。
そのような経歴を持つ元トップ選手が、なぜ詐欺事件に関与したのかという疑問が浮かびます。事件は共犯者による組織的な犯行だった可能性も指摘されており、共犯の男が主導し、平木容疑者が利用されていた可能性も考えられます。
● 「死別した妻の補償金を受け取る」
警察関係者は、逮捕までの経緯を次のように説明します。
「宿毛警察署管内で特殊詐欺事件を捜査していたところ、鹿児島市に住む50代女性の被害が判明しました。
女性は2022年2月から5月にかけて、フランスで整形外科医として働いていると名乗る人物とSNSで知り合い、その後はLINEで連絡を取り合っていました。結婚の約束をしていたかは確認されていませんが、その人物から『亡くなった妻の補償金を受け取るため、あなたを保証人にした。しかし荷物が税関で止められており、解除には証明書の費用が必要だ』と説明され、同年5月に30万円を振り込みました。その送金先が平木容疑者名義の口座でした」
送金先が本人名義の口座だったことから、犯行の手口は極めてずさんだった印象を受けます。詐欺が発覚すれば、名義人がすぐに特定される可能性が高かったためです。
警察関係者はさらに、「30万円のうち約27万円は平木容疑者名義の暗号資産口座へ送金され、約2万円は千葉県内のATMで平木容疑者とみられる人物が引き出す様子が防犯カメラに記録されていました。こうした証拠が積み重なり、逮捕に至りました。現在確認されている被害は2件ですが、今後さらに増える可能性があります」と話しています。
● 「お金持ちというイメージだった」近隣住民
大手企業で働き、順風満帆に見えていた平木容疑者に何が起きていたのでしょうか。取材班が地元周辺で聞き込みを行うと、近隣住民から意外な証言が聞かれました。
「10年ほど前だったと思いますが、平木さんの家の表札に別の名字が加わり、体格のいい男性が出入りするようになりました。結婚されたようでしたが、2、3年ほどで離婚し、その後は再び一人暮らしをしていました。
一昨年ごろには引っ越し業者が来て、そのまま転居されました。特に引っ越しの挨拶はありませんでした。家も売りに出していたようですが、なかなか買い手が見つからなかったようです」
平木容疑者は、かつて白いスポーツカーを運転する姿も目撃されていました。
近隣住民は「大企業に勤めていて裕福な印象があっただけに、詐欺事件への関与が報じられ、本当に驚いています」と口をそろえていました。
参照:「全仏テニス」優勝経験もある女性会社員が「ロマンス詐欺」で逮捕
《事件前にはご近所トラブルも》「お金持ちだと思っていたのに…」平木理化容疑者
