「これは経費で落ちません!」 2019年製作 日本
 

ドラマ『これは経費で落ちません!』は、7年前にNHKで放送されていた際、たまたま10分ほど見ました。その短い時間だけでも「これは面白そうだ。今後の展開も期待できそう」と感じたのを覚えています。

しかし、その日は用事があって途中でテレビを消さなければならず、そのまま見逃してしまいました。その後も「途中から見るのは中途半端かな」と思っているうちに、結局そのままとなり、作品の存在も次第に記憶の片隅へ追いやられていました。

そんなドラマが7月20日からNetflixで配信され、ようやく7年越しの念願がかなって視聴できました。Netflixでは『今日のシリーズTOP10(日本)』で4位にランクインしており、あらためて注目を集めているようです。

原作は青木祐子さんによるライト文芸シリーズで、2016年5月から集英社オレンジ文庫で刊行されています。シリーズ累計発行部数は200万部を突破しており、多くの読者に支持されている作品です。

現在ドラマは第2話まで見終えたところですが、期待どおりの面白さです。テンポの良いストーリーに加え、思わず笑ってしまう場面も多く、経費精算という一見地味なテーマをここまで魅力的なドラマに仕上げていることに感心しました。見ているうちに、自分が会社員だった頃の経費精算を思い出し、懐かしさも感じながら楽しんでいます。

主人公は、多部未華子さんが演じる石鹸メーカーの経理部員・森若沙名子です。真面目で几帳面なアラサーの独身女性で、「何事もイーブン(過不足なく)に生きる」を信条にしています。

領収書や請求書を細かく確認するなかで、社員たちの人間関係や小さな不正が浮かび上がり、それらをコミカルに解決していく姿がこのドラマの大きな見どころです。仕事では冷静沈着ですが、恋愛には不器用というギャップも魅力になっています。

会社で働いている以上、お金に関わる仕事は避けて通れず、経理部とのやり取りは欠かせません。ただ、経費精算には細かなルールが数多くあり、正直なところ面倒だと感じることも少なくありませんでした。特に高額な支出では、上司の承認や押印が必要な稟議書を作成しなければならず、ぼく自身、あの手続きはあまり得意ではありませんでした。

そのため、ドラマの中で森若が厳しく経費をチェックする様子は楽しく見ていられますが、もし実際に同じような経理担当者が身近にいたら、気が休まらなかっただろうとも思います。

もっとも、会社勤めをしている人なら、「よくこんな経費が認められたものだ」と驚くような出来事を、一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。

ぼく自身にも心当たりがありますし、会社の知人から似たような話を聞いたことも何度かあります。このドラマを見ていると、そうした出来事が次々と思い出され、作品の面白さをさらに引き立てています。

森若は仕事と私生活をきっちり分けるタイプで、勤務後の付き合いにも必要以上には踏み込みません。そんな彼女に対し、重岡大毅さん演じる営業部のエース・山田太陽が、持ち前の明るさと真っすぐな思いで少しずつ距離を縮めていきます。

仕事を通じて育まれていく二人の関係がどのように変化していくのか、第3話以降の大きな見どころになりそうです。