「イントゥ・ザ・ブルー」 2005年製作 アメリカ 原題:Into the Blue
 

ジョン・ストックウェル監督の『イントゥ・ザ・ブルー』は、バハマの美しい海を舞台に、美男美女が命懸けで水中の財宝を追い求めるアクション映画です。

貧しい暮らしを送りながらも、恋人のサム(ジェシカ・アルバ)と幸せな毎日を過ごしているジャレッド(ポール・ウォーカー)は、いつか財宝を積んだ沈没船を発見することを夢見ています。そんなある日、ダイビング中に海底で莫大な価値を持つ違法貨物を積んだ沈没船を発見します。しかし、その積み荷を狙うマフィアに目を付けられ、命懸けの戦いに巻き込まれていきます。

本作の最大の魅力は、クリスタルブルーに輝くバハマの海です。透明度の高い海には色鮮やかな魚たちが泳ぎ、神秘的な海底の景色が観る者を引き込みます。物語は海底に眠る財宝を巡る冒険ですが、カリブ海の雄大な自然そのものが、何よりの宝物に思えてきます。

海の底には、まだ発見されていない財宝が数多く眠っているのだろうと思いながら観ていると、ラストで「世界の海には今も60億ドル相当の宝が眠っている」というテロップが流れます。現在の為替レートでは日本円で約9750億円に相当します。映画のような夢のあるお宝発見のニュースが、これからも飛び込んでくるのかもしれません。

主演のポール・ウォーカーとヒロインのジェシカ・アルバは、ともに抜群のビジュアルを放っています。二人ともカリブ海の美しい景色によく映え、映像全体を華やかに彩っています。



特にジェシカ・アルバは、引き締まった美しいプロポーションが印象的です。劇中では、ジャレッドの友人から「驚いたな、なんてうまそうなボディーだ。すごいな、余計な脂肪がゼロだ」と評される場面がありますが、その言葉にも納得できるほどのスタイルでした。

ジェシカ・アルバは5歳で女優を志し、11歳から演技を学び始めます。12歳の時には約1500人が参加したコンテストで優勝し、その9か月後にはエージェントと契約を結びました。

順調な女優人生を歩み始めたように見えますが、本作ではゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の最低主演女優賞にノミネートされています。

その背景には、彼女の演技力というよりも、作品全体の演出があったといわれています。映画ではジェシカ・アルバのビジュアルやビキニ姿ばかりが強調され、キャラクターの内面や感情が十分に描かれませんでした。ラジー賞は演技だけではなく、話題性の高い俳優が外見ばかりを消費するような役柄に起用されたことへの皮肉としてノミネートされるケースもあります。

ジェシカ・アルバ自身も後年、本作について振り返り、撮影の大半を露出度の高いビキニ姿で過ごした経験を「地獄のようだった」と語っています。

脚本が非常に面白かったため出演を決め、当初は「バハマで数か月間、ウェットスーツを着てダイビングを楽しめる仕事」くらいの感覚で考えていたそうです。

しかし、実際の撮影は冬に行われました。映画では夏の設定ですが、凍えるような寒さの中、小さな水着だけで演技を続けなければならず、しかも周囲には野生のサメがいました。彼女は後に「ずっと水着を着ているのは本当に嫌だった」と振り返っています。

さらに水中シーンはCGをほとんど使用せず、本物の野生のサメが泳ぐ海で撮影されました。ジェシカ・アルバをはじめとするキャストは、常に危険と隣り合わせの状況で演技を続けたといいます。彼女は後年、「本当に怖くて死ぬかと思った」と当時を振り返っています。