
「トラブル・カレッジ/大学をつくろう!」 2006年製作 アメリカ 原題:ACCEPTED
スティーヴ・ピンク監督による映画『トラブル・カレッジ/大学をつくろう!』は、受験した大学にすべて不合格となったことを隠すため、主人公バートルビーが架空の大学を設立し、本当に大学へ通っているように見せかけようと奮闘する学園青春コメディです。
バートルビーは、自分と同じように進学先が決まらなかった仲間たちを集め、架空の大学づくりを始めます。そして、大学の公式サイトを公開しますが、ワンクリックで入学を許可する設定を修正し忘れてしまいます。
その結果、授業料さえ支払えば誰でも入学できる大学になってしまいました。見方を変えれば、学歴や肩書に関係なく、学びたい人を受け入れる理想的な学びの場ともいえます。
やがて、うわさを聞きつけた大勢の若者が次々と集まり、新設された「サウス・ハーモン工科大学」は本格的に動き始めます。学生たちは自由なキャンパスライフを満喫しますが、その幸せな時間は長く続きません。架空の大学であることが明るみに出てしまいます。
進学先を失い、居場所をなくした若者たちが、自分たちを受け入れてくれる場所をゼロから築き上げていく姿には、勇気をもらえます。この大学は、権威や形式を重視する既存の大学とは異なり、一人ひとりが「自分は何を学びたいのか」「何が好きなのか」を主体的に考えながら学べる、独自の教育方針が大きな魅力です。
本作は笑いを楽しめるだけでなく、「大学とは何か」「学ぶとは何か」という本質的な問いを投げかける作品でもあります。
物語の後半では、隣接する名門大学の学長によって架空の大学であることが当局に知られ、大学認可の取り消しと閉校の危機に追い込まれます。
認可審査の聴聞会では、「資格を持つ教師がいない」「図書館がない」「正規の運動施設がない」など、大学として必要な条件を満たしていない点が次々と指摘されます。それでも学生たちは、画一的な教育制度や社会の価値観に疑問を投げかけ、自分たちがなぜ学ぶのか、その熱い思いを真っすぐに訴えます。終盤は胸を打つサクセスストーリーとしても見応えがあります。
なお、本作のNetflixでの配信は7月5日までとのことです。Netflixで視聴を予定している方は、ぜひ早めにご覧ください。笑いと感動に加え、学ぶことの意味について考えさせられる、おすすめの一本です。