関和亮監督による映画『かくかくしかじか』は、6月16日からNetflixで配信が始まり、「今日の映画TOP10(日本)」で1位を獲得しています。人気漫画家・東村アキコの同名自伝エッセイ漫画を実写化した作品で、夢を追い続ける人の心に響く物語です。
宮崎県で暮らす高校生の明子は、漫画家になる夢を抱いています。そんな彼女は、後に恩師となる個性的な絵画教師・日高先生と出会います。どんな状況でも生徒たちに描くことをやめさせない日高先生。一方の明子は、地元にいるままでは漫画家になる夢を実現できないと感じるようになっていきます。
お調子者で少し怠け者な女子高生・林明子を永野芽郁が演じ、竹刀を手に厳しく指導するスパルタ絵画教師・日高先生を大泉洋が演じています。2人のテンポの良い掛け合いも本作の大きな見どころです。
明子の飾らない友人役には、NHK連続テレビ小説『風、薫る』の主演を務める見上愛が起用されています。自然体の存在感と独特の表情が印象的で、登場するたびに目を引きます。
本作でまず圧倒されるのは、日高先生の絵画指導に懸ける並々ならぬ情熱です。そして、絵を描くという行為そのものへの純粋で揺るぎない愛情にも胸を打たれます。日高先生が繰り返し口にする「つべこべ言わず描け」「どんなときでも描け」という言葉、そして「描け! 描け!」という熱い叱咤は、理屈を超えて観る者の心に強く響きます。
また、永野芽郁は、泣き、笑い、ときには逃げ出しながらも前へ進もうとする人間味あふれる主人公をコミカルかつ魅力的に演じています。おしゃれなジャージ姿や上品な着物姿、社会人になってからの制服姿など、人生の節目ごとに変化する明子の装いも見どころのひとつです。どの衣装もよく似合っており、キャラクターの成長を視覚的にも楽しめます。
本作は公開直前、永野芽郁の不倫疑惑が2025年4月発売の『週刊文春』で報じられたことで、大きな注目を集めました。ネットニュースやSNSでも連日話題となり、作品への影響を懸念する声も上がりました。
その当時の心境について、原作者の東村アキコは次のように語っています。
「だから、なんて言うんですかね、文藝春秋社って、いっぱい素晴らしい小説とかいっぱい出してて、芸術作品とか文学作品をいっぱい生み出してる会社だし、私もチームだったし。しかもドラマ化の打ち合わせとかも、今もしてるわけですよね、現在進行形で。
スキャンダルが出たその次の次の日とかも、文春に行って打ち合わせがあるみたいな」
出版社や編集者への配慮を見せながらも、東村は率直な思いを続けて明かしています。
「一方で、1つの雑誌がね、こうやって私たちが心血注いで作ったものを、結果的に潰すという、そこの矛盾にはすごくやっぱり苦しみましたね。なんか、なんだろう……二重人格の人と付き合ってるみたいな」
騒動の大きさから、一時は公開そのものを不安視する声もありました。しかし映画は予定通り公開され、結果として順調なスタートを切ります。
東村アキコの人気漫画を原作とする作品力の高さもあり、最終的には興行収入10億円前後を記録するヒット作となりました。作品を取り巻くさまざまな話題を超えて、多くの観客に支持された一本といえるでしょう。
参照:東村アキコ氏 永野芽郁を「天才だと思いました」、映画「かくかくしかじか」秘話明かす
