益田ミリのコミックエッセイシリーズ『今日の人生』は、現在3巻まで刊行されています。ぼくは1巻をすでに読んでいて、今回『今日の人生2 世界がどんなに変わっても』を読みました。

益田ミリは1969年、大阪府生まれのイラストレーターです。作品に登場する絵はとてもシンプルで、主人公の服装や表情も大きく変わりません。主人公が歩いている場面でも、背景がほとんど描かれていないコマが多くあります。

コロナ禍を描いた漫画では、主人公がマスクをつけています。それだけでも、普段とは違う特別な表情を見たような気持ちになりました。

漫画を読みながら、コロナ禍の人との距離感や、社会全体がどこか窮屈で息苦しかった頃を思い出しました。

益田ミリの漫画は、文章に添えられたカットイラストのようにも感じます。その分、文章そのものの魅力が際立ち、自然と読ませる作品になっています。

人生のほんの一瞬の出来事に対する益田ミリの視点には、「そうそう、こんな気持ちになることがある」と思わず共感してしまいます。せつなさや懐かしさが静かに広がり、まるで友達から昔の出来事を聞いているような親しみも感じます。

たとえば、こんな場面があります。

夕暮れ時、益田ミリがスーパーへ向かう途中、中学生の男の子と女の子が立ち話をしています。彼女は「初々しいなぁ。何分くらい話しているんだろう」と思いながら、その様子を見つめます。

そして、こんな言葉が続きます。

『彼らは知らないのです。自分たちがこの世界に放出している美しいエネルギーのこと。大人たちはそれを浴び過ぎていった日を想ってせつなくなり、人生が、自分の人生が一度しかないことを再確認させられているのでありました。』