5月14日、栃木県上三川町の住宅で、住人の富山英子さん(69)が殺害され、家族2人も負傷する強盗殺人事件が発生しました。警察は17日、実行役とされる16歳の少年4人に犯行を指示した疑いがあるとして、無職の竹前海斗容疑者(28)と妻の美結(みゆう)容疑者(25)を強盗殺人容疑で逮捕しました。
● 夫婦から「断ったらお前らの家族を殺す」
司法解剖の結果、富山さんの死因は出血性ショックだったことが判明しています。遺体には20か所以上の刺し傷があり、中には臓器に達する深い傷も確認されたといいます。
今回の事件では、実行役が16歳の高校生アルバイトで、逃走車両を無免許の少年が運転していたことも明らかになっており、計画性の低さを指摘する声もあります。一方で、指示役とみられる竹前夫妻も20代と若く、事件の背景にはSNSを通じた「闇バイト」の存在が浮かび上がっています。
捜査関係者によると、少年4人はSNS経由で集められ、竹前夫妻から「断れば家族を殺す」などと脅されていたとされています。4人全員が以前からの知人だったわけではなく、事件当日に初めて顔を合わせたメンバーもいたということです。
事件当日、少年らは夫妻から提供された車で現場へ向かい、スマートフォンのアプリを通じてリアルタイムで指示を受けていました。しかし、実行役の1人が現場で確保され、その後、逃走していた3人も相次いで逮捕されました。
竹前夫妻は事件の数か月前、乳児を連れて長野県内にある妻の実家を訪れていたといいます。近隣住民の女性は、当時の様子について次のように話しています。
「2〜3ヶ月前だったと思うけど、おそらく赤ちゃんの顔見せで実家に帰省したんじゃないかな。まあご夫婦とも幸せそうで、こっちから挨拶すれば返してくれましたよ。
夫婦ともちょっとヤンキーっぽくて旦那の方はコワモテで、美結ちゃんも金髪までいかないけど栗色の髪の毛でね。赤ちゃんはまだ歩けない、まさに0歳児って感じでしたね。ご実家の家族構成はご両親と祖父母でした」
● 「ゴボウ御殿」と呼ばれ、テレビに出演
一方、被害者の富山さん宅は、地元で「ゴボウ御殿」と呼ばれるほど立派な住宅として知られていました。敷地内には別棟のカラオケ施設もあり、地域では資産家として有名だったそうです。
近隣住民は、「豪華な家ではありましたが、生活ぶりは派手ではなく、カラオケ施設も近所の人に無料で開放してくれていました」と振り返ります。
また、富山さん一家はゴボウ農家としても知られていました。ゴボウは比較的需要が安定しており、鳥獣被害を受けにくい作物として農家の間でも注目されています。近年はごぼう茶などの加工品も人気を集めており、幅広い用途で消費されています。
その後の捜査で、栃木県警は17日、横浜市在住の竹前海斗容疑者と美結容疑者を逮捕しました。警察は2人を事件の指示役とみており、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」との関連も視野に捜査を進めています。
海斗容疑者は羽田空港の国際線ターミナルで、美結容疑者は横浜市内のホテルでそれぞれ身柄を確保されました。海斗容疑者は出国手続きを済ませていたとされ、逃亡直前だった可能性もあるとみられています。
捜査関係者によれば、事件当時、夫妻は栃木県内にいたものの、実行役の少年らとは別の場所にいたとされています。その後、県外へ移動していたとみられ、防犯カメラを活用した「リレー捜査」などにより、早期逮捕につながったということです。
警察は現在、竹前夫妻と少年らの接点や、さらに上位に存在する可能性のある指示役についても捜査を進めています。
参照:《栃木・強盗殺人》「断ったら家族を殺す」と少年強殺団にゴボウ御殿を襲撃させた
《栃木・強盗殺人》「ちょっと怖いな…」近所迷惑なタトゥー夫と赤ちゃんを抱く妻
