カルビーが小売店などに対し、「ポテトチップス うすしお味」や「コンソメパンチ」など一部商品のパッケージについて、使用する色を白と黒の2色に変更すると通知しました。

実際に白黒のモノトーンになったパッケージを見ると、印象はそれほど悪くなく、むしろ統一感が生まれて洗練された雰囲気にも感じられます。一方で、食欲を刺激する効果や、お菓子ならではの色彩の楽しさという点では、やや物足りなさもありそうです。

今回の対応は、ナフサ価格の高騰に加え、印刷インクなどの調達が不安定になっていることを受けたものです。5月25日以降の出荷分から、順次切り替えられるといいます。

佐藤官房副長官は5月12日、企業への聞き取りを行う方針を明らかにしました。副長官は、インク原料となる合成樹脂などについては必要量を供給できており、印刷用インクの供給にも問題はないとの認識を示しています。

ただ、原料供給の先行きが不透明な状況では、企業が早めに対策を講じようと考えるのは自然なことにも思えます。

そもそも「ナフサ」とは、原油を蒸留して得られる無色透明の液体で、プラスチックや合成ゴム、合成繊維など、さまざまな石油化学製品の原料になるものです。いわば「石油製品のもと」ともいえる存在で、包装印刷用インクに使われる溶剤や樹脂の主原料でもあります。

ナフサは、原油を加熱・蒸留する過程で得られますが、採取できる量は原油全体の約10%に限られます。また、日本で使われる原料用原油の9割以上、輸入ナフサの約3分の2は中東に依存しているため、中東情勢の影響を受けやすい特徴があります。

ナフサ価格が高騰している背景には、2026年2月末に始まった米国とイランの軍事衝突があります。石油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、原料供給が不安定になったことが大きな要因です。

今回のカルビーの白黒パッケージ化は、品質や味への影響を避けながら、商品の安定供給を優先するための対応です。この動きからは、食品業界が「見た目」よりも「確実に商品を届けること」を重視する局面に入りつつあることがうかがえます。

多少見た目に変化があっても、価格が上がったり内容量が減り続けるよりは受け入れやすいと感じます。ただ、今後ほかのお菓子や食品にも同じ流れが広がり、多くのパッケージが白黒になっていけば、少し味気なく感じてしまうかもしれません。

 

参照:カルビー 主力商品パッケージを白黒に 政府がヒアリングへ
               【独自】カルビー「ポテトチップス」“うすしお”などパッケージが白黒に25日以降