東京・湯島の個室マッサージ店で、タイ国籍の12歳の少女に性的なサービスを強要していたとされる違法労働事件で、タイ国籍の女の初公判が開かれました。

タイ国籍のプンシリパンヤー・パカポーン被告(39)は、タイ国籍の少女の年齢確認を十分に行わないまま、マッサージ店で客に性的なサービスを提供させた罪などに問われています。

4月15日に東京地裁で開かれた初公判で、パカポーン被告は起訴内容について「事実はその通りではありません」と述べ、否認しました。

検察側は冒頭陳述で、「被告は店のマネージャー業務を任されていた」「年齢確認に必要な手続きを十分に行わず、客に性的なサービスを提供させた」と指摘しました。

一方、弁護側は「被告は少女の年齢を知らず、直接会ったこともなかった。人身売買のブローカーではない」と主張しました。

この事件では、マッサージ店を経営していた細野正之被告(52)も児童福祉法違反の罪で起訴されていて、初公判で起訴内容を否認しています。

少女は2025年6月27日に29歳の母親とともに来日しました。日本入国直後に東京・湯島の個室マッサージ店「リラックスタイム」に連れて行かれ、そこで初めて性的なサービスを伴う仕事をさせられることを知ったといいます。来日の翌日には母親が姿を消しました。

少女は「こんなことはやりたくない」と訴えましたが、「家族の生活のため」という思いや、母親に逆らえない状況から、我慢を続けていたとみられています。

女性の在留資格は15日間しかありませんでした。母親には、短期滞在ビザが切れた後も不法滞在の状態で少女に性的なサービスをさせる目的があった可能性があります。

少女は33日間の滞在中に約60人の男性客に性的なサービスを強いられました。得られた金額は約63万円にのぼり、細野被告が全額を受け取り、その半分が母親の関係者の男性に振り込まれていたとされています。

12歳のタイの少女が、周囲の大人たちの欲望や金銭目的の犠牲になっていた実態が浮かび上がっています。

女性の人身売買の実態に詳しく、被害者調査の経験もある斎藤百合子氏は、今回の事件について次のように述べています。

「今回の事件で見えてきたのは、女性たちを過酷な状況で働かせて、搾取する日本の性産業の実態です。そして女性や少女を買う側や小児性愛を許してきた、そのことが問題だと認識してほしいです。」

参照:12歳のタイ人少女が性的な店で…低年齢化の実態も「“人身取引”との認識を」
   「事実はその通りではありません」タイ国籍の女が起訴内容を否認 東京地裁で初公判