「ランチの女王」 2002年製作 日本
 

ランチタイムを何より楽しみにしている麦田なつみ。大好きなオムライスを味わっていると、鍋島健一郎が現れ、婚約者のふりをして実家の洋食店「キッチンマカロニ」に来てほしいと頼まれます。

店に魅了されたなつみが足を踏み入れたのは、男ばかりで暮らす鍋島家でした。個性豊かな兄弟たちとともに繰り広げられる、温かくにぎやかなホームラブコメディです。それが竹内結子主演のフジテレビドラマ「ランチの女王」です。

受け継がれてきた味を守る尊さや、手頃でおいしい料理が人の活力や希望につながる大切さが描かれており、笑いと涙、恋愛が詰まった魅力的な作品でした。

本作では、江口洋介の俳優としての存在感を改めて実感しました。ユーモラスな場面での軽妙な演技と、真剣な表情から伝わる感情表現の対比が印象的です。体格の良さも相まって、男らしい魅力が際立っています。

さらに、豪華な俳優陣も見どころです。鍋島家の長男に堤真一、三男に妻夫木聡、四男に山下智久が出演しています。加えて山田孝之や永山瑛太など、主役級の俳優が顔をそろえ、当時の瑞々しい演技を堪能できます。

劇中に登場するデミグラスソースたっぷりのオムライスやハヤシライス、クリームコロッケはどれも食欲をそそります。なお、作中の店は浅草の老舗洋食店「ヨシカミ」がモデルの一つといわれています。

ヨシカミについては、コメントで「浅草にはビーフシチューで有名な店がいくつかあるが、ここのシチューが一番好きだ。秘伝のデミグラスソースはまろやかでコクがあり、じっくり煮込んだ肉は口の中でほろりとほどける」と評されています。

この作品で主演を務めた竹内結子の存在は非常に大きく、その死は惜しまれてなりません。彼女は2020年9月、40歳の若さで亡くなりました。

明確な理由は公表されておらず、遺書も見つかっていません。家族や関係者も心当たりがないとしています。出産直後であったことやコロナ禍による環境の変化、親交のあった三浦春馬さんなどの俳優の急逝などが影響した可能性は指摘されていますが、真相は不明のままです。

劇中で見せる、心からおいしそうにランチを頬張る姿と笑顔は、多くの人に温かい気持ちを与えました。これからも彼女の演技を見ていたかったという思いが、作品のすばらしさとともに強く残ります。