
斎藤元彦知事が率いる兵庫県では、採用試験の合格者のうち約6割が入庁を辞退し、他の自治体や企業へ流れています。
さらに、県債を自由に発行できないほど財政状況が悪化しています。
知事を告発した元県民局長(故人)の個人情報を漏えいしたとして、地方公務員法違反が適用可能と検察に認められた元側近・井ノ本知明氏が、現在も要職にとどまっています。この異例の状況のなか、県庁では職員による抵抗が続いています。
2024年4月に知事のパワハラ問題が表面化して以降、兵庫県の総合事務職採用では辞退率が急上昇しました。2025年4月採用では46.0%となり、前年より20ポイント以上増えています。
今春の採用状況はさらに深刻で、合格者209人のうち入庁者は86人にとどまりました。123人が辞退し、辞退率は58.9%に達しています。
4月9日の定例記者会見で原因を問われた知事は、「辞退率を見込んで多めに合格者を出している。その影響で辞退率が上がった」と説明しましたが、説得力を欠く分析と受け止められています。
関西テレビによると、県内の大学生協には、告発問題の混乱を受けて入庁に不安を感じる学生や、親から別の進路を勧められるケースが目立つとのことです。
ただし、知事の任期は4年であり、仮に満了まで務めたとしても2028年11月までです。残りは約2年半に過ぎません。本来であれば「現状を変える」という意欲を持って若い人材に入ってほしいところですが、理想論にとどまっているのが実情です。
知事は定例会見で定型的な回答を繰り返し、十分な議論が成立していません。その一方で、会見中にはデモの「辞めろ」という声が配信に重なる場面も見られます。こうした状況のなか、Xやインスタグラム、YouTubeなど個人アカウントでの発信に注力しています。
自らのメッセージを一方的に発信し、イメージづくりを続けているとの批判があります。県政の取り組みを自己PRに利用していると受け取られ、県産品や地域の魅力よりも個人が前面に出ているとして、「公私混同」との指摘も出ています。
一方で、知事に関する報道は変化しています。問題点を曖昧にした記事は減り、記者の見解を示す内容が増えてきました。こうした傾向は評価できますが、課題の多い現状がいつまで続くのかは不透明です。
参照:「親にやめておけと言われた」兵庫県職員採用で辞退率58.9%の異常…背景に知事告発問題