「侵入する男」 2019年製作 アメリカ 原題:The Intruder
自然豊かなサンフランシスコ北部にあるワインの産地、ナパ・ヴァレーで夢のようなマイホームを購入した夫婦。しかし、その家に強い執着をもつ前の住人チャーリーの行き過ぎた干渉に悩まされることになります。デオン・テイラー監督によるNetflix配信映画『侵入する男』の紹介文を読み、興味を惹かれて視聴しました。
前の住人を演じたデニス・クエイドは、目が笑っていない不気味な笑顔と独特の存在感で強い印象を残し、最後まで引き込まれました。
冒頭では、夫婦が自然に囲まれた家を見学します。妻は「本当にきれい」と感想を述べ、「ねえ、見て」と声を上げると鹿の姿が見えます。小川も流れ、微笑んだその瞬間、大きな銃声が響きます。目の前で鹿が撃たれ、夫婦は驚きます。
そこに現れたのが前の住人チャーリーです。「驚かすつもりはなかった。鹿は庭を荒らすから駆除すると金になるし、肉も食える。好きか?」と話しますが、第一印象は最悪です。それでも妻は家の購入に前向きで、330万ドルもの高額な家を買うことになります。
本作では、妻がチャーリーに対して警戒心をあまり持たないため、見ていて不安になります。
妻は魅力的であるため、家への執着が強いチャーリーは、やがて彼女にも執着し始めます。夫が不在の夜、ピザを持ってきたチャーリーに対し、「大きいピザね。一人では食べきれない」と言って招き入れようとする場面は、あまりにも無防備に感じました。
やがて物語は、チャーリーと夫婦による命がけの争いへと発展します。ただし、途中で妻がナイフで深く刺したにもかかわらず、チャーリーがほとんどダメージを受けた様子もなく反撃を続ける点には違和感が残りました。
チャーリーは自分の家への異常な執着だけでなく、他人との距離感を理解できない人物として描かれています。このような人は、自他の境界に疑問を持たないため厄介です。
ぼく自身も似た経験があります。以前、会社に入った新人が、いきなりぼくの部屋に遊びに行きたいと何度もしつこく言ってきて困りました。仕事上の関係と私的な関係の区別がつかない人でした。断ると、その数日後に退職しました。
また、別の出来事もあります。家の中で物音がしたため2階から1階に降りると、近所の男性が部屋の中を歩き回っていました。その人は親しいつもりで、自分が家族の一員のように感じていたようです。勝手に入らないでほしいと伝えてからは、同じことは起きなくなりました。
こうした体験もあり、本作に強い関心を持ち、視聴に至りました。
