3月18日、兵庫県の斎藤元彦知事による定例会見が行われました。会見では記者やフリージャーナリストが質問する時間がありますが、斎藤知事の回答はあまりに不十分で、内容の薄さが目立ちます。そのため、皮肉にもそのやり取り自体が会見の見どころの一つになっています。
こうした知事の発言について、どこかの記者が踏み込んだ記事にしてくれないかと感じていますが、現状では直接的に批判する報道はほとんど見られません。定例会見で質問を行い、従来どおりの曖昧な回答を引き出しても、その問題点が十分に報じられない現状には、ジャーナリズムの姿勢として疑問が残ります。
会見の実態については、最後にダイジェスト動画のリンクを示しますので、これまで見たことがない方はぜひ確認してください。一度視聴すると、その内容の問題点ゆえに、次回の会見も気になってしまう側面があります。
こうした状況の中で、斎藤知事が繰り返し用いる「文書問題については適正、適切、適法に対応してきた」という発言の矛盾を指摘する記事が、神戸新聞NEXTに掲載されています。
2024年3月、兵庫県西播磨県民局長の男性が、斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を関係者に送付し、県の公益通報窓口にも通報しました。しかし県はこれを公益通報者保護法の対象外と判断し、内部調査の結果、誹謗中傷に当たるとして停職3カ月の懲戒処分としました。
その後、斎藤知事は第三者委員会を設置し、県議会も強い調査権限を持つ百条委員会を設けましたが、元局長は調査途中の7月に亡くなりました。
第三者調査委員会は、告発者の特定や聴取を行った県の対応について、公益通報者保護法に照らして違法と結論づけました。この報告書の公表から、3月19日で1年となります。
同委員会は2024年9月に設置され、元裁判官を含む弁護士6人で構成されました。100人以上の職員から情報提供を受け、証拠資料を収集したうえで、昨年3月に報告書を公表しています。その中で、文書に記載された知事のパワハラを10件認定し、内容を十分に調べないまま作成者を特定した対応は、公益通報者保護法違反に当たると指摘しました。
これに対し斎藤知事は、当初から現在に至るまで「誹謗中傷性が高い文書」との見解を変えていません。18日の定例会見でも、「対応は適正、適切、適法だった」との主張を繰り返しました。
このような状況では、第三者委員会を設置した意義が十分に生かされているとは言えません。知事は自身の見解を繰り返すのみで、姿勢を改める様子は見られません。神戸新聞NEXTの記事は、こうした問題点を的確に伝えています。今後は、会見での発言や対応についても、より踏み込んだ報道が求められると感じます。
参照:「適切一点張りでは通報制度形骸化」斎藤知事の姿勢に専門家苦言 告発文書問題
【3月18日定例会見】おもわず即答。そして都合悪い質問にすっとぼける【斎藤元彦】動画
