去年の夏から半年以上が過ぎていますが、身元が分からないまま愛知県岡崎市で保護されている高齢の男女2人がいます。2人は夫婦とみられていますが、自分や相手の名前を思い出せません。

2人は去年8月25日、岡崎城公園近くの交番を訪れました。運転免許証など身元を示す物は何も持っておらず、そろって記憶を失った状態でした。「自殺未遂をした」と話したため、保護されました。

市の聞き取りに対し、2人は「気がついたら岡崎城公園にいた。公園の出店で飲食しながら生活していたが、2人で自殺を図った」と話しています。日常生活に介助は不要で会話も可能であり、お互いを「おとうさん」「おかあさん」と呼び合っています。

女性は物忘れが多いものの、周囲に積極的に声をかける社交的な面があります。一方、男性はあまり交流しませんが、認知症のような症状は見られていません。

2人そろって記憶を失うケースは珍しく、どのような経緯でそうなったのかは分かっていません。1人が先に記憶を失い、その後2人ともそうなったのか、あるいは強い出来事によって同時に記憶を失ったのか、それとも軽度の認知症なのか、さまざまな可能性が考えられます。

男性は身長163.7センチ、体重50.7キロ、女性は身長152.4センチ、体重60.8キロで、いずれも80歳前後とみられています。

2人の話によると、2025年8月21日に気がついたときには岡崎城公園にいました。出身は西三河で、最近この地域に戻ってきたといいます。長く関東で暮らし、特に千葉県での思い出が多く、ゴルフや歌舞伎鑑賞、ディズニーランドの記憶があるとのことです。また、妻は自分でお金を使った経験がないと話しています。

夫は兄弟が多く、中学卒業後は父親とともに大工として働いていました。兄と一緒に仕事をしていた時期もあるそうです。干支は午年で、年齢は84歳前後と推定されています。1982年頃に2人で四街道市へ転居し、千葉に移って最初の免許更新時に住民票を移したといいます。

このように多くの情報が明らかになっているにもかかわらず、身元は判明していません。これほどの手がかりがあっても特定できないのか、それとも2人が記憶喪失を装い、話の内容も作られている可能性があるのか、疑問が残ります。



想像を巡らせるとミステリーのような話ですが、記事のコメントで気になる指摘がありました。Xで話題になったもので、「2000年代前半に千葉県警が公表した行方不明の夫婦に似ているのではないか」という投稿です。

この夫婦が2001年に行方不明になったとすれば、25年が経過しており、現在の年齢とほぼ一致します。ただし、その夫は会社員とされており、大工だったという話とは食い違います。いずれにしても、早く身元が判明することが望まれます。

参照:自分の名前も住所も思い出せない…身元不明の男女は“夫婦”か 2人記憶喪失