「ウソツキは結婚のはじまり」 2011年製作 アメリカ 原題:Just Go with It

 

独身のふりをしてナンパする既婚男性の話は、結婚詐欺も含めて何度か耳にしたことがあります。デニス・デューガン監督のロマンチックコメディ映画『ウソツキは結婚のはじまり』は、その逆で、既婚者のふりをして女性に近づくという設定です。その導入から物語に引き込まれました。

整形外科医のダニー(アダム・サンドラー)は、結婚式当日、花嫁が友人に自分と妹の容姿をけなしているのを聞き、うんざりして式を取りやめます。その後、バーで既婚者を装って美女と会話するうちに一夜を共にします。これをきっかけに、ダニーは既婚者のふりをして女性に近づくようになります。

ある夜、パーティーで若く美しい教師パーマーと出会い、互いに運命を感じます。しかし、既婚者のふりをする際に身につけていた指輪を彼女に見つかり、ダニーは大慌て。とっさに「妻はいるが離婚寸前で、妻にも恋人がいる」と嘘をつきます。

パーマーはその妻に会いたいと言い出し、ダニーは同僚のキャサリン(ジェニファー・アニストン)に妻役を頼みます。自分の嘘を取り繕ううちに周囲まで巻き込み、話はどんどん大ごとになっていきます。慌てるダニーと、それに協力するキャサリンのやり取りが面白く、何度も笑わされました。

ダニーの嘘はパーマーと結婚するためのものでしたが、やがて何もかも知っているキャサリンこそ、自分にとってかけがえのない存在だと気づいていきます。

ハワイで、キャサリンは友人デブリン夫妻と食事をします。その席でデブリンが「互いに見つめ合い、相手の好きなところを言う」という提案をします。

そのときキャサリンはダニーにこう言います。
「あなたのユーモアが好き。きわどい冗談も面白い話も大好きです。表には出さないけれど、心が広く、その奥には優しさと謙虚さがあります。とてもいい人だと思います。一緒にいると楽しいです。」

ダニーはキャサリンにこう返します。
「君は無欲で、見返りを求めず人のために尽くす。お礼を言っても聞いていないだろうけど、それが君のいいところだ。君にだけは嘘をついたことがない。誰よりも信頼している。秘密も全部知られているしね。その笑顔が好きだ。見ていると幸せな気分になる。一日がその笑顔でバラ色になる。」

この友人の提案による間接的な告白をきっかけに、二人は互いの気持ちに気づきます。

この映画では、キャサリンの子ども二人も加わり、みんなでハワイ旅行に出かけます。そこで描かれるリゾートの風景がとても美しいのも印象的です。また、子役の二人は表情が豊かで、ずる賢さとあどけなさ、そして愛らしさが感じられます。見ているだけで楽しく、どこかほっとした気持ちにさせてくれます。