
「ザ・ナース」 2023年製作 デンマーク 原題:The Nurse
侍ジャパンの試合を見るのに忙しく、映画やドラマの視聴がおろそかになっていました。今日は侍ジャパンの試合がないため、ドラマを一気見しました。見たのは、カスパー・バーフォード監督の「ザ・ナース」です。1話約50分、全4話の作品です。
病院を舞台にしたドラマは数多くあり、傑作も少なくありません。この作品は、デンマークで実際に起きた前例のない殺人事件をもとにした実話ベースのドラマで、物語が進むにつれて面白さが増し、引き込まれていきます。
新人看護師ペニレは、理想的な指導役である先輩クリスティーナとともに患者の命を救い、「ドリームチーム」と称賛されます。ところが、同僚から次のような忠告を受けます。
「彼女と友達になるのは気を付けたほうがいい」
「どうして? 友達というより、彼女から学んでいるんだけど。」
「彼女は注目されたい人なの。信頼しすぎないほうがいい。」
この忠告をきっかけに、ペニレはクリスティーナとの関係を見直し始めます。そして、相次ぐ患者の死という彼女の隠された犯罪に気づき、真相を追い求めていきます。
同じ職場で働く看護師が、病院内の突然死に関与していると知りながら顔を合わせ続けるのは、どれほど複雑な気持ちなのでしょうか。さらに、相手の目を意識しながら同じ夜勤に入り、証拠を探るという状況には大きな緊張感があります。
このドラマは、2015年にデンマークで実際に起きた看護師による患者殺害事件をもとにしています。犯人は2017年、4件の殺人未遂で懲役12年の実刑判決を受けました。しかし、実際にはその数倍の死に関わっていたのではないかとも推測されています。そう考えると、12年という刑は短すぎるようにも感じます。
現実の事件が背景にあるため、作品には強いリアリティがあります。閉鎖的な職場でクリスティーナを信頼する人々の中、同僚の嘘や心理的な駆け引き、緊迫感のある展開が続きます。そして、真実を明らかにするために勇気をもって告発する場面も大きな見どころです。
また、内部告発の難しさも描かれています。犯罪行為を告発したにもかかわらず、同僚や上司から冷たい態度を取られてしまいます。まるで病院から追い出そうとするかのような対応には、心理的な圧迫を伴う残酷な怖さを感じました。