
トランプ米大統領の言動は、何を目的としているのかよく分かりません。ここまで常識から外れた人物が大統領に選ばれたことにも、アメリカの国民性の不思議さを感じます。トランプ氏の行動を詳しく知るほど、迷路に迷い込み、出口が見つからないような気分になります。
トランプ氏は2月28日、イスラエルとともにイランへの攻撃に踏み切りました。2024年の大統領選では「戦争を終わらせる」と訴えていましたが、2期目の就任後は世界各地で軍事介入を行っています。戦争を終わらせるどころか、新たな戦いを始めている状況です。
トランプ氏には、イラン攻撃をてこに支持率を回復させる狙いがあったともいわれています。しかし、ロイターなどが3月1日に公表した世論調査では、イラン攻撃に「不支持」と答えた米国民が43%に達し、「支持」の27%を上回りました。
また、今回のイラン攻撃は、未成年の少女らへの性的人身売買に関わったエプスタイン文書の追及から目をそらすためではないか、という指摘もあります。確かに、戦争が起これば、過去の性的人身売買疑惑への関心が薄れる側面があります。
しかし、疑惑が消えたわけではありません。米司法省が公開した文書の中で、トランプ氏から性的虐待を受けたと告発した女性に関する資料が「除外」または「欠落」しているのではないかとの疑いが浮上し、民主党は追及を強めています。
トランプ氏は、イラン攻撃が4週間以上続くとの見通しを示しています。戦争が長期化すれば、不支持の割合がさらに高まる可能性があります。ロイターは2月28日、MAGA(米国を再び偉大に)派の一部有力者がイラン攻撃への反対を表明し、今年11月の中間選挙で共和党が不利になると警告したと報じました。
2月24日の連邦議会での一般教書演説も、十分な成果を上げたとは言いがたい状況です。トランプ氏は昨年1月以降の経済実績を強調し、経済はかつてないほど好調だと主張しました。しかし、ロイターなどが2月27日に発表した世論調査では、「米国経済は活況を呈している」という主張に対し、68%が「同意しない」と答えました。
さらに、ロイターなどが2月24日に発表した世論調査では、61%が「トランプ氏は加齢に伴い不安定になっている」と回答しました。与党・共和党の支持層でも、約3割が同様の見方を示しています。
今年6月に80歳を迎えるトランプ氏は、任期終了時には歴代大統領の最高齢記録を更新する見通しです。トランプ氏はこれまで、バイデン前大統領の年齢や判断力の衰えをたびたび批判してきました。しかし皮肉にも、いまはその批判が自身にも向けられる状況になっています。
なお、トランプ大統領の現在の任期は2025年1月20日から2029年1月20日までの4年間です。任期はまだ3年近く残っています。今後、どのような事態が起きるのか、不安を感じる人も少なくないでしょう。
参照:トランプ氏「暴走老人化」が止まらない イラン攻撃に国民43%が「ノー」