NHK連続テレビ小説「ばけばけ」も、いよいよ3月27日(金)が最終回です。翌週月曜日の3月30日からは「風、薫る」がスタートします。「ばけばけ」が終わってしまうのは、寂しい限りです。
最初に「ばけばけ」が始まった頃は、「怪談」で有名な作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とその妻をモデルにした話だと聞き、「面白いのかな」と半信半疑で見始めました。
ドラマは、明治という急激に時代が変化(化ける)する中で、古い価値観が物語や怪談として新たな価値へと転換していく様子を描いています。しかし、日本に古くから伝わる怪談にあまり興味がないぼくにとっては、小泉八雲も名前は知っているものの、強く惹かれる人物ではありませんでした。
ところが、ドラマに「ヘブン」(ハーンがモデル)が来日する設定で登場したあたりから、物語は一気に面白くなり、毎日が楽しみな作品へと変わっていきました。
それは母も同じでした。最初は「今回はこのドラマ、あまり合わないみたい」と言って見ていなかったのに、いつのまにか「ばけばけ」を見ることが毎日の日課になっていました。
「ばけばけ」は、八雲が愛した松江の景色や、小泉八雲旧居の情緒あふれる縁側や庭がでてきて、それを見ていると心が癒やされました。
登場人物もそれぞれが良くて、特にヒロイン・トキを演じた髙石あかりの、話すときの絶妙な間の取り方と笑顔が好きです。没落士族の娘からたくましい妻へと成長するトキを、ユーモアを交えて表現しています。
そして母親役の池脇千鶴の声も印象的です。ゆったりとした語り口が、なんとも落ち着いた気分にさせてくれます。
ドラマでは、トキが英語の習得に苦労する様子も描かれています。たどたどしい発音に毎回笑わせられますが、その苦労には胸が詰まります。
ぼくの場合、英語は仕事に直接関わっていなくても、突然勉強したくなる不思議な力があると感じます。その思いに引かれて勉強を始めますが、差し迫った必要がないため長続きしません。
あれこれ理由をつけて翌日に延ばしているうちに、いつのまにか英語から離れてしまいます。すると、またふいに勉強したくなります。その繰り返しで、間が空いてしまうため、なかなか身につきません。
フィギュアスケート・ペア「りくりゅう」の解説で知られる高橋成美が7か国語を話せると聞くと、それだけで神様のような存在に思えてしまいます。
さて、「ばけばけ」の物語では、トキが妊娠しますが、そのことを夫のヘブンに言い出せずにいます。ヘブンにはフィリピンで滞在記を書く大きな仕事が舞い込んでいます。
ヘブンはひとりでフィリピンに行く予定だと、トキは偶然、彼の友人の妻から聞きます。トキは「ヘブンは書く人になりたいのだから止められない」と泣きます。物語はそこで続きとなっています。妊娠を知らせる形で、夫のフィリピンでの滞在記を止めたくないという想いがあるのでしょう。
残りわずかですが、トキの支えのもとで怪談を書くようになるヘブンの姿を早く見たいです。その場面はいつ放送されるのでしょうか。
