「ディープエンド・オブ・オーシャン」 1999年製作 アメリカ 原題:The Deep End of the Ocean
 

ウール・グロスバード監督の「ディープエンド・オブ・オーシャン」は、ある日突然失踪した息子が9年後に目の前に現れることから始まる、家族の葛藤と再生を描いたヒューマンドラマです。

その大まかなあらすじをNetflixで読んだとき、クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」を思い出しました。

こちらは、息子が突然失踪し、5か月後に警察が発見しますが、その少年はまったくの別人でした。その事実を信じてもらえないシングルマザーが、思いがけない運命をたどっていく物語です。実話をもとにしています。

もしかすると「ディープエンド・オブ・オーシャン」も同じ事件をもとに制作されたのだろうかと思いながら鑑賞しました。しかし本作はシングルマザーの話ではなく、戻ってきた息子も指紋が一致した本人ですので、まったく別の物語でした。

「チェンジリング」もお気に入りの作品ですが、本作も非常に見応えのある好きな作品です。ジャクリーン・ミチャードの小説「青く深く沈んで」を原作として制作されています。

家族の一人が突然いなくなることが、どれほど大きな衝撃をもたらすのか。彼らがどのように過去のトラウマと向き合い、再び家族を築いていくのかが、胸が締めつけられるほど切実に描かれています。

物語の核心は、息子が見つかった瞬間の喜びだけでなく、その後に生じる「育ての親」と「生みの親」の間で揺れる少年の葛藤にあります。

9年間を別の人格として生きてきた息子にとって、実の家族は見知らぬ人々にすぎません。彼を取り戻そうとする家族と戸惑う息子の姿を通して、「家族の絆とは血縁なのか、それとも共に過ごした時間なのか」という問いを投げかけます。

ぼくにとっては、ほとんど見たことのない俳優ばかりで、それがまるで実録映画を観ているような感覚にさせます。その中で唯一、ほかの作品でもよく見かけるウーピー・ゴールドバーグが女性刑事役で出演しています。見ているだけで安心感を与える独特の雰囲気があり、強い存在感を放っていました。