「タイ国籍の少女を性的搾取していたことが発覚して、世界から「日本は男性の性欲に甘い国」と言われていることを、日本人ははっきり自覚し、恥じるべきだ。」
この強い言葉が注目を集めたのは、2025年12月に発表された元フジテレビアナウンサー・渡邊渚によるエッセイだった。渡邊は、日本社会に根深く残る性犯罪への甘さや、女性軽視の風潮を鋭く批判し、大きな反響を呼んだ。

これに異議を唱えたのが、イタリア・フィレンツェ在住の音楽家、清水晴子氏である。イタリア国立音楽院大学院を修了し、現地でオペラ歌手やピアニストとして活動する清水氏は、X上で次のように述べた。
『渡邊渚さんの「日本は性欲に甘い国だ」という嘆き。
フィレンツェの空の下で、私は深い溜め息をついてしまう。』
● 痴漢ですら逮捕されない日本
渡邊はエッセイの中で、東京の個室マッサージ店で起きた未成年少女への性的強要事件を例に、日本で相次ぐ性的搾取や買春、わいせつ事件への憤りを語った。さらに、フジテレビ在職時代に見聞きした、女性を軽んじる男性たちの言動にも触れ、「日本は治安が良いという評価は、性犯罪や男女平等の面では当てはまらない」「痴漢ですら十分に取り締まられていない」と厳しく断じている。

これに対し清水氏は、「痴漢」という言葉が成立する背景そのものが、日本の特殊な安全性を示していると指摘する。イタリアや欧米の公共交通機関では、居眠りや無防備な振る舞いは盗難や性的暴行の危険と隣り合わせであり、女性は常に身構えて行動しているという。
「痴漢という卑劣だが比較的軽い犯罪が成立するのは、日本の空間が平和で、人々が油断できるほど守られているからだ。被害者を責めたいのではない。この矛盾を直視すべきだ」
● 海外の男性はもっと「本能的」だ
渡邊はまた、機内で児童ポルノを閲覧して逮捕された日本人男性の事件や、公共の場でわいせつ動画を見る男性の存在にも言及し、強い嫌悪感と恐怖を表明している。日本人男性による海外での買春や、国内で横行する路上売春にも触れ、「性的搾取は社会全体で根絶すべき重大な問題だ」と訴え、買う側を厳しく処罰する法整備を求めた。
これに対し清水氏は、日本の男性像そのものが過度に否定されていると反論する。満員電車で冤罪を恐れ、身動き一つにも神経を尖らせる日本人男性の姿は、海外から見れば「理性的を超えて潔癖」だという。
「海外の男性はもっと本能的だ。視線を向け、声をかけ、拒まれれば不機嫌になる。それと比べれば、日本の男性の多くは驚くほど自制心が強く、優しい。」
一部の犯罪者の存在によって、大多数の男性までが潜在的加害者のように扱われる風潮や、日本人自身が自国の安全性を過小評価している現状を、清水氏は「平和ボケ」と表現する。そして、夜道を一人で歩ける社会が成り立っている背景には、多くの人々の理性と努力があることを忘れるべきではないと結んだ。
清水氏の説得力のある反論投稿はX上で大きな反響を呼び、「全紙の一面に載せてほしい」という声も上がっている。29日現時点で実に2360万件を超えるインプレッションを記録。
渡邊渚の告発と、清水晴子氏の反論。両者の主張は、日本社会が性と安全をどう捉えるのかを、改めて問いかけている。
参照:渡邊渚の「日本は性欲に甘い国」発言を痛烈批判…「女性は常に『戦場』にいる覚悟」
渡邊渚さんの「日本は性欲に甘い国だ」という嘆き。Harukon FIRENZE Xより
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」渡邊渚が「性的搾取」に思うこと