中国によるレーダー照射の報道を、重大な挑発行為として緊張感を持って受け止めるべきなのか、それとも単なる「中国は強いぞ」という示威に過ぎないのか――その見方は分かれています。

 

● 中国軍機が自衛隊機にレーダー照射
12月6日、防衛省は、中国海軍の空母「遼寧」(りょうねい)から発進した戦闘機が、沖縄本島南東の公海上空で警戒中の航空自衛隊機に対し、2度レーダーを照射したと発表しました。


照射はいずれも断続的で、1回目は約3分、2回目は30分以上続いたとされています。自衛隊機を明確に狙っていたことは疑いようがありません。

 

● 緊張の発端はどこにあるのか
橋下徹氏は、この一連の緊張の背景について、「きっかけは高市氏が国会で、台湾有事の際に米軍が攻撃された場合、日本が存立危機事態になりうると述べたことにある」と指摘しています。


法律上その認識は間違いではないとしつつ、「国家を代表する立場で、あえて対外的に明言する必要はなかったのではないか」と述べました。

 

さらに、最終的に高市氏が「個別の事案には言及しない」と答弁を修正したことにも触れ、「であれば最初から言わなくてよかった。日中関係が悪化する中で、日本の利益に何があるのか分からない」と疑問を呈しています。

 

一方で、麻生太郎氏は12月3日の会合で、高市氏を「自民党が変わる象徴」と評価し、台湾有事に関する発言も「言われるくらいがちょうどいい。従来どおりのことを言っただけだ」と擁護しました。

 

● 憲法上の問題を指摘する声
日本共産党の志位和夫委員長は香港メディアの取材で、高市氏の発言について次のように批判しています。

 

高市氏が特定の国を名指しし、武力衝突の可能性を前提に日本が戦争に関与し得ると言及したことは、戦後の首相として初めてだと指摘しました。


台湾海峡で米中が衝突した場合、日本が攻撃されていなくても、米軍を守るために自衛隊が中国に武力を行使する可能性を認めたことになり、これは憲法の戦争放棄と相いれないという主張です。


日中双方に重大な被害をもたらしかねない危険な発言であり、看過できないとしています。志位氏の見解はここまでとしますが、なぜ高市氏の発言が日中関係の基盤を損なう可能性があるのか、その要点が丁寧に説明されています。興味のある方は以下のリンクを参照してください。

 

日中関係の行き詰まりをどう解きほぐすか
 

現在の報道の多くは中国批判に集中していますが、視点を変えて情勢を読み解くうえでは、志位氏の見解も参考になるはずです。

 

参照:小沢一郎氏、麻生太郎氏の「中国から言われるぐらいでいい」を疑問視 高市首相めぐり

              橋下徹氏 中国レーダー照射問題の原因は台湾有事発言「全てのスタートはそこ」

   レーダー照射 危険極まりない中国の挑発だ