
2008年3月18日、テキサス州に住んでいたエリセオ・ロザレス・ジュニア(2歳半)が、呼吸困難と頭部の外傷のため病院に運ばれ、そのまま命を失いました。逮捕されたのは、彼の叔母であるマイラ・ロザレス(当時27歳)でした。
マイラは捜査官に対し、「床に倒れていたエリセオを抱き上げようとした際、右手が滑って転倒し、その時に誤って押しつぶしてしまった」と説明しました。しかし、幼い子どもが押しつぶされて死亡するという衝撃的な事件に加え、逮捕時のマイラの体重が450~500キロ近かったことが、全米の注目を集めることになりました。
● 生きるだけで限界だったマイラ
体重が予想外の500キロであることが、捜査に以下のように影響を与えていくことが驚きです。
事件発生から数週間後、女性医師がマイラの自宅を訪れました。マイラが医師の診察を受けるのは1年半ぶりです。その医師は当時のマイラの状態をこう回想しています。
「マイラは死にそうでした。肺炎と肺水腫を患っていました。あの状態では1週間は生きられたかもしれませんが、医療介入がなければ生き延びることはできなかったと思います」
「医師としてのキャリアを続ける中で、マイラのような人を見たことがありませんでした。マイラを動かすためには10人の男性が必要でした。幅の広い救急車も必要でした。ストレッチャーに乗せることができなかったため、直接救急車の床に滑り込ませる形でマイラを乗せました。」
マイラは2008年8月、エリセオの死に関連して殺人罪で起訴されました。しかし、刑務所にはマイラの身体を収容するのに適した大きさの独房がなく、適切な医療ケアを提供することも困難だったため、マイラは裁判が始まるまでGPSを装着されて自宅で軟禁されることになりました。
● 「世界一重い女性」と呼ばれた背景にあった真実
メディアは彼女を「世界で最も重い女性」と報じました。弁護人のバルデスは、当時の状況を再現するよう求めましたが、マイラは動くことすらできず、泣き崩れたと伝えられています。
事件当時、彼女は極度の肥満のために2年間ベッドから起き上がれない生活を送っており、その事実が妹ジェイミーをかばっていた可能性を示す証拠となりました。後に幼児の死因は、妹による虐待であったことが明らかになりました。
一方で、マイラの夫は献身的に彼女を支え続け、彼女が浴槽に入れないため、ベッドの上で体を拭き、洗っていたとされています。マイラは「彼は私の支えであり、私たちは一心同体です。彼を心から信じています」と述べています。
● 生きるための減量、そしてその果て
その後、マイラは肥満治療の専門医のもとで減量に取り組み始めました。当時、彼女は糖尿病やうっ血性心不全を患い、呼吸不全の危険に直面していました。
治療の結果、マイラは約360キロの減量に成功しました。私の体重に換算すれば、約5人分を落としたことになりますので、想像を超えるほどの大変な努力だったことでしょう。しかし、過度な減量の負担なのか、長年の肥満の影響なのかは明確ではありませんが、彼女は昨年2月、43歳という若さで亡くなりました。
参照:「2歳の甥を“押しつぶして”殺してしまった」体重450キロの“巨体容疑者”の衝撃告白